冷凍すし米上陸

農林水産省が後押し

NYで試食イベント開催

 ビルドストーン(本社東京都港区、建石俊之社長)は、7月に農林水産省支援のコンソーシアムにて、米国に冷凍すしを本格的に初輸出した。同社は、日本において最近、冷凍技術の活用が進んだことを受け、2月から農林水産省補助事業(令和4年度農林水産物・食品輸出促進緊急 対策事業)に取り組み、コンソーシアムにて「メイドインジャパンでネタとシャリが一緒のすし」を冷凍して、輸出する枠組みの構築を進めてきた。

 すし製造には国内のすしメーカー数社に依頼し、その中でアメリカの輸入規制に対応できる会社を選定。提携する冷蔵施設業者のマイナス60℃の技術で、すしを瞬間冷凍した。

 米国にすしを輸出するには、アメリカ食品医薬品局(FDA)やNOAA関連のSIMP(水産物輸入監視制度)等の厳しい基準を満たす必要があり、同コンソーシアムは、その調整を入念に行ったことで、当初予定より3か月余計に時間を要した。荷物は6月29日に名古屋港から出て、ロサンゼルス港に7月14日入港。FDA/NOAA/SIMPの認可を受けて、7月20日に通関した。

 ニューヨークの展示会は、ブルックリン区サンセットパーク地区にあるジャパンビレッジで7月29日に開催。当日は多くの来場者に、その場で解凍したすしが振舞われ、当初予想をはるかに上回る約270人からアンケート回答を得られた。来場者からは、「本格的な日本のおすしの繊細さに感銘を受けた」と大好評だった。

 なお会場では、今秋酒米を仕入してOEM生産する予定の、プロトタイプの日本酒も振舞われこちらも好評で、ニューヨーカーがすしと日本酒の本格的なメイドインジャパンを楽しんだ。今後同社は、ニューヨークとロサンゼルスを中心に、現地の小売店や、レストランに冷凍すしを卸していく方針。アメリカ市場での実績を基にし、欧州・中東・アジアへの進出も目指す。

 米国現地責任者のJWJARDINインク代表の新井幸子さんは「自然解凍で2時間必要なため、買ってすぐに食べたい消費者のニーズに応えるために湯煎対応のパッケージにしているが、電子レンジでの解凍など課題もみえた」と話す。にぎり6貫が入って、円換算で2500円程度の小売り販売を見込む。

(写真)冷凍すしを手にする新井さん(7月29日ジャパンビレッジで)