日本食に活気戻る

NY共同貿易主催

レストランエキスポ盛況

 ニューヨーク共同貿易恒例の日本食レストランエキスポが4年ぶりに戻ってきた。第27回目を迎える今回は、153社が参加し、パンデミック以前の活気を取り戻した。展示・販売だけでなく、その日限りの特別ディールもあり、当日は、レストラン関係者、食品取扱関係者など大勢の入場者で賑わった。酒蔵ブースでは36社が新しい酒を紹介。

 ハワイに本社を置くサンヌードルは、今年はラーメンの麺ではなく、まぜ麺と焼きそばを初出品した。まぜ麺はパスタのフェットチーネとうどんを足して2で割ったような力強い歯応えが特徴。同社はニュージャージー工場に加えて今年オランダのロッテルダムにも工場を建設し、欧州の日本食ブームをNYから支えるという。

 また、自販機大手のサンデン・リテール・システム(本社東京)は、今年初めて冷凍食品の自販機を米国展開する。加熱すればすぐ食べられる冷凍醤油ラーメンや、焼き餃子、エビフライ、唐揚げなどが冷凍のまま出てくる。消費者は電子レンジで加熱するなどして食べることができる。

 ジェトロNY事務所の三浦悟所長は「全米で2万3000軒の日本食レストランがあり、これは2010年の1・6倍。またNY市内で星を取ったレストラン73件のうち、17件が日本食で、かなり注目されている。純和風、フュージョンも含め全米の日本食普及に努めていきたい」と話す。

 NY日本総領事館経済担当の田井貴領事は「ニューヨークの日本食の普及状況はかなり進んでおり、日本政府は2030年までに輸出を5兆円にまで増やしたい計画で、ホタテやブリ、鯛などの対米輸出をジェトロと協力して後押ししていきたい」と話す。

 主催したニューヨーク共同貿易の大畑正敏社長は「米国の健康志向が日本食に拍車をかけている。日本からの輸入は、円安もあるが、輸送費などのコストが高騰している中で、その他の米国内の物価よりも値上げ幅は少ないのではないか。中国向けに生産していたホタテなどはアメリカに振り向けて需要に応えていきたい」と話していた。当日はセミナーコーナーも特設され、従業員10人以上のレストランに加入が義務付けられた401(K)について、モルガンスタンレーの竹田勝男さんが講演し、レストランオーナーたちが聴講した。