『窓ぎわのトットちゃん続編』英語版を米で発行

翻訳者の手嶋さんNYで語る

講談社USA

 講談社USAは黒柳徹子のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん続編』の英語版発行に合わせニューヨークで3つの記念イベントを開催した。22日には翻訳者・手嶋優紀さんによるトークイベントがニューヨーク公共図書館(53丁目分館)で午前11時30分から開催された。当日は、講談社USAの編集者アレクサンドラ・マカロー=ガルシアさんと手嶋さんが続編について来場者からの質問にも答えながら英語版を紹介した。

 手嶋さんは冒頭で、「自分の母親が大のトットちゃんファンだったので、翻訳者として関わることができて本当に親孝行ができました」と述べた。

 会場の読者から「続編から読者が発見する最大のものは何か」という質問に対し、手嶋さんは「人生であった一つの出来事が、自分の人生のすべてではないということ、どんどん自分を前進させていくことだと思います」と述べた。

 続編では、戦後から現在に至るまでのその後について描かれているが、アメリカ人女性から「戦争の表現や平和についてどんなふうに書かれているのか、英語版に翻訳する上で難しいところはなかったか」という質問もあった。

 手嶋さんは「本の中身に難しい政治的表現はなかったし、私は黒柳さんの表現をそのまま忠実に翻訳しただけなので、翻訳すること自体には難しいことはなかった。疎開先での話や彼女の声と彼女の経験をいかに英語で伝えるのかということに専念した」と述べた。

 24日には、紀伊國屋書店NY本店1階の特設会場で手嶋さんのブックトークとサイン会が午後6時から行われ大勢のファンが詰めかけた。

 手嶋さんは4歳から24歳までロサンゼルスで過ごした後、東京とロサンゼルスを行き来する生活を送り、2011年から15年まではニューヨークで暮らしていたことがあるという。

 「アメリカで育ったので英訳する際に(アメリカの)読者目線で表現できた部分はあったかもしれない」と振り返った。会場から「フェミニストとしての日本での存在感」について参加者から問われ「日本女性で初めて自分のテレビトーク番組を持ち、その長寿番組を通じて今でも大きな社会的影響力を持っている」と答えた。25日夕にはジャパン・ソサエティーでアニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』が上映され、パネルディスカッションとサイン会が行われた。

 続編の英語版発行にあたり著者の黒柳徹子さんは「皆さんこんにちは、黒柳徹子です。このたび、『窓ぎわのトットちゃん続編』の英語版が発売されることになりました。40年も経ってしまいましたが、一生懸命書きました。みなさん、楽しんでくださいね」とコメントしている。 (三浦良一、写真も)

(写真右)黒柳徹子さん Photo/Kazuyoshi SHIMOMURA