「映画づくりはAIなしで」是枝監督NYで語る

ジャパン・カッツ最終日

 ジャパン・ソサエティ—が開催した日本映画祭「ジャパン・カッツ」で最終日の19日、是枝裕和監督の最新作「箱の中の羊」が北米プレミア上映され、是枝監督が来米して質疑応答に登壇した。

 同映画は「万引き家族」以来8年ぶりの是枝監督オリジナル脚本。息子を亡くした建築家の夫婦(綾瀬はるか、大悟)が息子の姿をしたヒューマノイド(桒木理夢)を迎え、「家族」をやりなおそうとするが、本当の息子ではないことから様々な感情が露わになっていく。

 是枝監督は、「人とAI、自然と建築など、別のものをどう共存させるか。それは映画づくりにも似ている」と言い、映画の題名を「星の王子様」から得たことについては「母親が夜の読み聞かせをするシーンで、ヒューマノイドと人との違いがわかるお話がいいと考えた。人間なら箱の中に羊がいるとわかる、それは想像力。そこから、これをタイトルにすることにした」と説明した。テクノロジーに関しては「実は今回初めてプロデューサーと相談して生成AIに脚本を読んでもらったら、すごくほめられた。でも、好みの偏りもない。映画によって救われたというような、そこまでの経験もAIにはない。自分の求めている感想はこれじゃない、人生と密接に結びついた感想が嬉しい。だから、映画づくりに関してはAIなしで行こうと思っている」と話し、満席の会場には大拍手が鳴り響いた。同映画祭は今年で19回目、約2週間で30作品以上が上映された。

 同映画は24日(金)、ニューヨーク市AMC数か所で上映予定。詳細はウェブサイトwww.amctheatres.comでSheet in the Boxで検索。(小味かおる、写真も)