ジョーカーの階段 人気が止まらない

毎日階段を上り下りするという女性もポーズ(3日昼、ブロンクスで写真・三浦良一)

 R指定の映画としては歴代最高のヒットを記録している「ジョーカー」に出てくるブロンクスの階段を訪れる人が絶えず、住民は困惑しているが(本紙11月2日号既報)、そんなことにはおかまいなく、「階段聖地」を訪れる観光客人気が止まらない。
 ブロンクス区ハイブリッジにあるシェークスピア通りとアンダーソン通りを結ぶ歩行者用の階段は、ホアキン・フェニックス演じる主人公のジョーカーが奇妙な踊りを踊るシーンのロケに使われたことから一躍有名になった。今では通称「ジョーカーの階段」と呼ばれるようになり、普段は人通りはそれほど多くない場所に「インスタ映え」を求めて連日人が集まるようなっている。
 映画の興行成績などを分析するウェブサイト、ボックス・オフィス・モジョによると、映画「ジョーカー」の世界興収収入は10月27日時点で8億2908万ドルに達し、R指定作品としては、2016年公開の「デッドプール」の7億8300万ドルの記録を更新した。9月に公開された同作品は、日本を含む73か国で爆発的な大ヒットを生み出している。日本でも10月4日公開以降、興行収入35億円以上、観客動員数240万人以上と、ともに4週連続の1位を維持している。今年のベネチア国際映画祭では、最高賞に当たる金獅子賞を受賞した。144段ある階段を毎日使うという女性は、階段を降りながらポーズを取り「映画も良かったけれど、地元に光があたったようで私は嬉しいわ」と笑顔を見せた。