山口里美さん

ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第18回春のサクラヘルスフェアで、NY日系ライオンズクラブが企画する「ライオンズ大学大人の教養シリーズ」のインターネット配信の単独講座を行った。
講師は、ファーストブランド(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロ登録メンバーの山口里美さん(グランサクシードグループ代表、一般社団法人日本リレーションサポート協会代表理事)。
テーマは「ニューヨークからでもできる日本の相続と生前準備〜帰国前に知っておきたい基礎知識〜」。講演要旨は次のとおり。
日本に帰るかまだ決めていない、でも年齢は70代、日本に不動産がある、日本に親、兄弟、子供がいる、なんとなく気になっているがまだ動いていないーもし、あなたがこんな状態であれば次の準備が役立つ。
迷っている状態が一番リスクが高い。もしNYで自分が倒れたら誰が日本の財産を守るか? そして自身の「最期」は日米どちらで迎える予定か? 帰国を決めていない人ほど何もしていないことが多い。
一例として、帰国未定で日本に実家がある米国永住者のAさん(74)の場合を紹介した。母親が入院したとの連絡を受けて3日後に帰国したが母親が長期入院して認知症で判断能力を失った。銀行は本人の意思確認ができないとして定期預金の解約を拒否、不動産会社も同様、売却も賃貸も大修繕もできないという反応だった。つまり財産を持っていても活用することができなかった。財産の問題だけではなく、家族が動けず、揉める原因となり後悔する「家族の問題」となった例を紹介した。
ニューヨークからでもできる対策として(1)遺言書を書く。遺言書は遺書ではなく、誰に何をプレゼントするかを決められる権利と理解する。家族を迷わせず、海外在住でも可能な公正証書がおすすめ。(2)任意後見・財産管理契約をする。認知症対策であり、家族が動ける状態を作ることができる。(3)相続登記ができているかを確認する。2024年から義務化し、罰則がある。(4)日本の財産のリストアップをしておく。不動産、預貯金、有価証券など。特にネットバンキングなどはパソコンのパスワードなどを共有しておく。スマホすら開けられないこともある。
ニューヨーク在住者が知っておくべきことは(1)手続きは日本にいなくても始められる(2)相続、不動産、身元保証、死後事務まで日本の窓口を一本化する(3)誰に頼むかを決める。帰国するかどうかは今決めなくてもいいが、日本の準備は帰国前にしかできないことを知っておくことだ。
オンライン動画→https://www.youtube.com/watch?v=P0LDRwYRKTI

