WBC日本優勝

NYでも在留邦人が熱狂応援

「日本人で良かった!」

 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝戦が、21日(火)米国東部時間午後7時からフロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われた。全員メジャーリーガーを揃えた最強打線で強豪を力でねじ伏せてきた米国と、最強の投手陣と粘り強い打線で勝ち続け前日の逆転サヨナラ勝ちの興奮も冷めやらぬ日本が対決。

 試合は、米国が2回に大会の本塁打王ターナーの5号本塁打で先制も、直後に前日のヒーロー村上の大会1号となる一発や、前日は本塁打性の当たりを美技で阻まれた岡本の一発などで逆転。2点リードの8回に侍ジャパンの牽引役を担ったダルビッシュが登板。シュワーバーに一発を浴び1点差に詰め寄られるも、最終回、ここまでリーダーとして投打でチームを引っ張った大谷が登板。勝っても負けても最後は大谷に賭けるという、選手もファンも全員が納得できる栗山監督の決断だった。そして、最後に世界中の野球ファンが見たかった大谷対チームUSAのリーダー、トラウトの「エンゼルス同僚対決」が遂に実現。メジャーのシーズンでは絶対に見られない二人の対決に世界中が盛り上がる中、フルカウントの末、大谷がトラウトから三振を奪い3対2で試合終了。2夜連続の少年漫画のような劇的展開で日本が3大会ぶりに優勝し歓喜の渦に包まれた。MVPは大谷選手だが、チーム全員で勝ち取った優勝だった。(本紙・久松茂)

若手オールジャパン
全員野球世界の誇り

 この侍ジャパンの活躍をニューヨークの日本人も応援した。21日の決勝を見ようとマンハッタンの35丁目のスポーツバーに250人余りの日本人が詰めかけた。NYのイベント企画会社Oプランニングが主催した応援イベントで、ライブの中継に声援を送った。優勝が決まった瞬間割れるような歓声が上がった。来場した日本人からは「村上さんの初球のホームランがチームに活気をつけた」「前日の活躍と合わせて村上は熊本の誇り」「最高だ。日本チームの努力の結晶だと思う。全員野球は世界の誇り」「以前の試合では、有名選手が欠けていることが多かったが、今回はオールジャパンのベストメンバーでの出場。いざという時にに世界中から飛んできて日の丸を背負って戦ってくれた選手たちに感動した」「最初は若い選手ばかりで不安にも思ったが、これからの日本の野球を背負っていく若手がこれだけの大活躍をしてくれたことで、日本の野球の未来は明るい」「涙、涙で大感激でした」「日本人で良かった!ありがとう」「ベースボールが日本に伝来して昨年150周年を祝ったその翌年に、オールジャパンの若い力でアメリカから勝利を勝ち取った意味は大きい」といった感動の声が聞かれた。

(写真)優勝の瞬間、大歓声をあげて歓喜の渦に包まれるNYの応援会場(21日午後10時40分ごろ、写真・三浦良一)