信楽焼NYデビュー

NYレストランショーで、ジェトロが支援

市内著名店からさっそく受注

 ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで5日から7日まで開催された世界レストラン・フードサービス展示会に、日本から滋賀県甲賀市信楽町の(有)かね馬が初出展した。

 同社は創業から142年の歴史を持つ最古の陶器卸店として知られており、信楽焼は、日本伝統工芸品として日本に古くからある陶産地の六古窯(ろっこよう)の一つ。

 日本六古窯とは、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)の総称で、信楽は1250年の伝統を誇る日本最古の産地である。天平14(742)年、聖武天皇が紫香楽宮の造営に着手したときに、布目瓦、汁器の須恵器を焼いたことに始まり、その後、水がめ、種壷、茶壷、茶器、徳利、火鉢、植木鉢など大物から小物に至るまで信楽焼独特の「わび」「さび」を残し今日に至っている。

 昨年からジェトロ(日本貿易振興機構)が、信楽焼の海外進出を支援し、今回NYへの初出展に繋がった。NY市内の著名なレストランにアピールし始めたところ、KORIN(光琳)はじめ、ZUMAレストラン、初花、Sushi of Gari(ガリ寿司)、寿司中澤から注目されて受注も開始している。かね馬の奥田企作社長とPRマーケティングの奥田まひろ広報部長は、展示会で「来客数や信楽焼への注目度はまあまあですね。ニューヨーク日本食レストラン協会に入会させていただきました。今後さらに販路を拡大し、伝統信楽焼の良さをニューヨークの皆様にも知ってもらいたい」と今後の展望を述べた。

( SDGsライター古市裕子、写真も)

(写真)展示会場の奥田社長(右)と奥田広報部長(左)