観光立国日本再び

在米邦人も一時帰国で楽しんで

地方観光都市が海外客誘致に本腰

 日本政府観光局(JNTO)が2月15日に発表した訪日外客数(2023年1月推計値)は、149万7300人と、150万人に迫り、2019年同月比55・7%となった。航空便においては、増便・復便の傾向が見られ、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準に近づいているところもあるが、多くの市場では回復途上にあるとしている。日本は、観光立国の復活に向けて、観光地、観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しながら、インバウンドのV字回復を図る必要があるとしている。今後、入国手続きなどの実用情報の的確な発信と併せ、持続可能な旅行に関する情報発信などの誘致の取り組みを求めている。

 米国からは、帰国時の行動制限の継続性があるものの、日本の水際対策の軽減の影響もあり、訪日外客数は8万8100人と対2019年同月比で85・4%までに回復している。

 JNTOニューヨーク事務所の山田道昭所長は「海外からの観光客誘致は日本のパスポートを持たない外国人をメインターゲットにしていますが、在留邦人の方が一時帰国した際に、家族旅行などで地方の温泉など海外にまだあまり知られていないところに出かけ、そこの魅力を米国に戻ってからアメリカ人の知り合いなどに知らせてくれるという効果も期待できますし、日本国内を観光をすることは日本の観光産業の活性化にもつながるので、大いに在米邦人の皆さんにも日本観光を楽しんでもらいたいです」と話す。

 国土交通省の観光庁が「観光立国推進基本計画」の改定で、2月9日に交通政策審議会で、今後の観光立国推進計画の素案を発表している。それによると、インバウンド回復戦略では、(1)観光再始動事業(2)消費拡大と地方誘客促進(3)高付加価値なインバウンドの誘致を掲げている。その中で訪日外国人旅行消費額単価と宿泊数、1泊当たりの消費額単価共に向上させた。具体的には消費額は2019年の15万9000円から20万円に25%増。宿泊数は、同 1・35泊から1・5泊に10%増としている。

 同庁が提案するインバウンド回復戦略(1)として「文化・自然・食・スポーツなどの分野で『特別な体験、期間限定の取り組み』の創出。海外におけるイベントも活用してアピールする」。アートの国際的な拠点としての地位を確立する。酒蔵ツーリズムを推進する、などをあげている。また、これまで8つの国立公園を中心に進めてきた取り組みを、全34国立公園にも展開するとしている。コロナ前の訪日外国人旅行者数の復活と滞在時間の延長を目指す、などが骨子となっている。

 日本の観光地のホテルの中には、部屋を2つ繋げてスイートルームに改造、値段も一泊8万円近い部屋で販売するところもあるが、ニューヨークのマンハッタンの同じ広さの部屋なら妥当な値段とも言え、要は価値に見合ったサービスには海外の旅行者は納得してお金を払ってくれるということだ。日本で物価高が連日ニュースになっているが、NYの物価高から見ればまだまだ安く、米国から訪日する人にとっては円安の影響もあって割安感が得られる状況だ。円安と観光地のサービスの拡充で、在留邦人にとっても帰国観光のメリットが得られそうだ。