パシフィック・パリセイズのアパートに3年半ほど住んでいました。アパートがある裏の山が出火元とされています。火災発生当時、私は日本に一時帰国中で、自宅にいたのは夫一人。避難警報が出た時、すでに山から煙が上がっているのが見えて、自宅の前は避難する車で渋滞していたそうです。警報が出てから2日後に私もアメリカに戻り、現在は夫と共に友人の家に避難しています。公開されている情報では私たちが住んでいたアパートは焼失していないようなので、家財は無事である可能性が高いのですが、知り合いが住んでいる家やアパートは焼失していたり、火事場泥棒の話も聞くので、手放しに喜べない複雑な心境です。山火事が起きてから2週間が経ち、私たちのアパートがある場所の隣の避難区域は昨日から住民のみの立ち入りが許可されたので、家に帰れる日も近いのではと少し期待しています。ただ、帰れたとしてもインフラの整備などで同じエリアに住むことはできないでしょうから、引越しをすることになると思います。近所の人もとても良い人たちで、散歩やハイキングがしやすくてとても気に入っていた場所なので、こんな形で引っ越すことになることが残念でなりません。同じように家を失った人がたくさんいるので住宅の需要が急増していて、家賃の相場も上がっています。同じような条件の家を探しているのですが、まだピンとくる引越し先は見つかっていません。ただ、家を失って、今後のことを考える良いきっかけになったのも事実ですので、夫の体が元気で命があったことを幸いと受け止め、今後どうするか二人でゆっくり話し合っていこうと思います。 (相馬真生)
(写真)撮影日:1月7日(火)2:56pm PST撮影場所:Pacific Palisades Temescal Canyon Road
撮影者:國澤貴志(Takashi Kunisawa)