ハドソン川が増水氾濫

NJ州エッジウォーターで浸水被害が発生

冠水した道路

 13日午前、火曜日の嵐と金曜夜の大雨の影響でハドソン川が増水して氾濫。マンハッタン対岸のニュージャージー州エッジウォーターなど河川沿いの町の一部で浸水被害が発生した。

 同区の、トレーダージョーズやコンフォートインホテル、屋内テニスコート、オフィスビル、飲食店や小売店などがある商業エリアの広大なパーキングの3分の1ほどが完全に水没し、何台もの車が池のようになった駐車場に取り残された。ホテルは3フィート浸水し、宿泊客や職員は避難させられた。

 朝10時過ぎに地元の警察が現地に駆けつけ交通規制を開始。幹線道路からこの商業エリアに繋がる3か所の出入り口のうち2つが封鎖されたので、買い物客の車が1箇所の出入り口に殺到し大混乱していた。

 また、同区を南北に貫く唯一の幹線道路、リバーロードの一部も大雨の影響で冠水しており、警察の誘導で迂回や浅めの部分を通過するよう指示され渋滞が発生した。同区はバーゲン郡の法律で日曜日は営業できない店舗が多く、土曜日は買い物客でリバーロードの交通量が増えるのだが、今回は水害と重なり、多くの足に影響が出た。

 エッジウォーターはハドソン川の直ぐ横に店舗や住宅が連なっているが、治水工事や堤防建設などはほとんどなく、大雨が降ると直ぐに川の増水で冠水することが多い。今回被害のあったホテルや駐車場も過去に何度も水没を繰り返しているが、堤防建設など具体的対策はなされていない。今回は人的被害はなかったものの、マンハッタンを眺められる美しい景観の維持を優先するのか、住民の安全を優先するのか、決断が必要だ。なお、今回の嵐と大雨では同州のパサイック川も氾濫して流域の町に多くの浸水被害をもたらした。

(写真)ハドソン川に隣接したショッピングセンターの駐車場・本紙 久松茂