Young People’s Chorus of New York City
訪日公演実行委員会代表
ニューヨークから少年少女合唱団「ヤングピープルズ・コーラス(YPC)」が創立37周年記念日本公演を7月に軽井沢、大阪、東京の3都市で開催する。同コーラス団体は「8歳から18歳まで人種や宗教、貧富に関係なく子どもが集まって歌えるコーラス」を目指して1988年に設立され、その優れた歌唱力と芸術性で世界的に高い評価を得ている。通算2000人近い青少年たちが参加している。今回は7度目の訪日公演となる。コンサートに向けて、合唱団が練習を重ねている。リンカーンセンターに近い65丁目にある音楽スタジオで創設者・音楽監督:フランシスコ・J・ヌニェスさんが合唱団メンバーたちに指導する。その横に、日本人女性、小野山弘子さんがいる。毎年、日本へ向けて公演実行委員会代表として同合唱団を率いて日本公演を数多く実施している人だ。
小野山さんは、日本で生まれ、1968年留学のため来米、71年ソニー共同創立者・会長盛田昭夫氏に招かれ就職、同氏および大賀典雄会長の秘書、米国ソニーディレクター、バイスプレジデント、顧問を歴任し、2011年退職後、フィランソロピー活動に専念、多数の非営利民間団体の理事や終身顧問を務めている。同合唱団の理事を務める小野山さんは、2005年に京都で開催された世界合唱祭にアメリカ代表で参加したのをきっかけに以降6回に渡りYPCの日本公演に同行、日本各地の演奏会のために日本語、日本文化を子どもたちに指導している。2019年にNY日系人会からJAA功労者アワードを受賞している。
小野山さんは、毎年50人近い合唱団メンバー全員に、訪日時に日本の白い木綿のハンカチを一人一人手渡すのだという。日本はアメリカのようにペーパータオルがないので、いつでも手を洗ってハンカチで手を拭けるようにという心遣いだ。ハンカチを日常的に使う習慣のないアメリカの子どもたちにとっては新鮮な日本文化体験の入り口になっているようだ。今年の夏の訪日は、7月25日が軽井沢大賀ホール、29日が大阪いずみホール、31日が東京文京シビックホールでの開催だ。チケットは6月1日からネットで販売開始予定だ。「今年は大阪で万国博覧会があるので、せっかく大阪で公演するので、万博のアメリカ館で合唱を披露する機会があればと合唱団事務局が交渉しているようです」という。合唱団の子供たちにとっても格別の訪日公演になりそうだ。
(三浦良一記者、写真も)