米国土安全保障省(DHS)は、外国人留学生、交換訪問者、外国メディア関係者について、資格を維持している限り米国滞在を認める現在の「在留資格期間(Duration of Status=D/S)」方式を廃止し、滞在期限を明確に定める新規則を9月15日から施行する。対象はF(留学生)、J(交換訪問者)、I(外国報道機関関係者)の各資格。議会審査の結果によっては発効日が変更される可能性もある。なかでも外国メディアの記者や特派員らが利用するIビザでは、一度の入国で認められる滞在期間が、取材・報道活動に必要な期間か240日のいずれか短い方となる。現在は原則として外国報道機関での業務を続ける期間、明確な終了日を設定せず滞在できるが、新制度では240日を超える長期駐在の場合、米市民権・移民局(USCIS)に滞在延長を申請する必要がある。延長は1回につき最長240日で、回数に上限はない。
期限前に延長申請を行えば、審査中も原則最長240日間、同じ外国報道機関で業務を続けることができる。DHSによると、2015〜24年の出国記録ではIビザ保持者の94・6%が240日未満で出国しており、多くの短期滞在者への影響は限定的とみられるが、外国特派員など長期駐在者には定期的な延長手続きが必要になる。
F、J資格についても、滞在期間は原則として学校や交換プログラムの期間に合わせ、最長4年間とする。期間を超えて学業や研究などを続ける場合はUSCISへの延長申請が必要になる。2024会計年度にはFビザで180万件以上、Jビザで50万件以上、Iビザで3万7330件の入国があった。DHSは、「在留資格期間(D/S)」方式では滞在中に移民当局が資格維持を直接確認する機会が少ないとして、不正利用防止や国家安全保障の強化を制度変更の理由に挙げている。規則案には約2万2000件のパブリック・コメントが寄せられ、大学や研究機関などから手続き負担の増加や国際競争力への影響を懸念する声も出ていた。
学生ビザ(F1)滞在は原則4年
転校や専攻変更にも新たな制限や申請を
大学などで学ぶFー1留学生については、Iー20に記載された教育課程の期間に応じて滞在を認めるが、原則最長4年間となる。4年を超える博士課程などで引き続き学業を続ける場合は、USCISに滞在延長を申請する必要がある。期限内に申請すれば、審査中もフルタイムで学業を続けることが認められる。
新規則では滞在期間だけでなく、転校や専攻変更にも制限が加わる。大学院未満の学生は原則として、最初にIー20を発行した学校で1学年を修了するまで転校や専攻変更ができない。大学院レベル以上の学生は、在学中の専攻変更や転校が原則禁止されるが、特別な事情がある場合には学生・交流訪問者プログラム(SEVP)が例外を認めることがある。
一つの教育課程を修了後、F-1資格のまま別の課程へ進む場合は、原則として現在より高い教育レベルに進む必要があり、同じレベルや低いレベルへの変更は認められない。
また、卒業やOPT(選択実習訓練)終了後に認められてきた出国準備期間は、現在の60日から30日に短縮される。DHSは、滞在資格の確認を強化し、長期間にわたり学生資格を維持し続けるケースなどへの監督を強めるとしている。
Jビザ 交換訪問者も最長4年
医師・研究者ら、
長期プログラムは延長申請
研究者、医師、教師、研修生、交換留学生などが利用するJ-1ビザについても、「在留資格期間(D/S)」方式が廃止される。入国時に認められる滞在期間は、原則としてDSー2019に記載された交換プログラム期間までで、最長4年間となる。
プログラムが4年を超える場合など、認められた滞在期限を超えて活動を続ける必要があるJー1保持者は、USCISに「滞在延長(EOS)」を申請する。延長も原則としてDS-2019に記載された期間に基づき、1回につき最長4年間。ただし医師の研修など、Jビザの各プログラムごとに別途設けられている期間制限は引き続き適用される。
プログラム終了後の出国準備期間は従来通り30日間。期限内に延長申請を行った場合、審査中も最長240日、プログラムで認められた研究や研修、就労などを継続できる。配偶者や21歳未満の子どものJー2資格についても、Jー1本人の滞在期限を超えて滞在することはできず、必要に応じて延長申請が求められる。
DHSは、今回の変更はJー1資格の一部に適用される「2年間の本国居住義務」など既存の制度を変更するものではないとしている。

