昨年の青森ねぶた祭に取材で訪れた。
東京の夏に比べると暑いとは言え、過ごしやすい。
山車が来るのを持っていると、お囃子と大鼓の音が近づいてくる。それに合わせてハネトの「ラッセラー、ラッセラー」のかけ声が聞こえてくると、一層高揚感に包まれる。
ライトアップした山車が近づいてくる。さまざまなねぶた師が作るねぶたは迫力があって、日中制作小屋で見た物とはまた違った感じを受ける。
多くのねぶたが目の前を通り過ぎてゆく中で、一つのねぶたの武者の睨みの効いた表情が目に入った。同時にその全体の立体造形に思わずこれを描きたい!と感じた。
最終日の花火大会が始まると、1万発の花火が打ち上げられ、海上を運行するねぶたとの融合に酔いしれた。青森の夏の終わりを告げたように感じた。8月31日まで青森県「東奥日報新町New’sホール」にて展覧会開催中。 (くぼ・しゅう/切り画家、東京都在住)

