ルート66。ノーベル賞作家のジョン・スタインベックが大干ばつによる砂嵐から逃れ、西海岸を目指す農民の姿を描いた「怒りの葡萄」、ディズニー映画の「カーズ」の舞台になり、またナット・キング・コールの代表曲でもある一本の道路は、五大湖から中西部を通って西海岸を結び、開拓の歴史とも重ねて、アメリカの「マザーロード」と言われる。
(写真上)サンバーナディーノにあるマクドナルド第1号店
アメリカ人だけでなく、ロサンゼルスに約30年住む私にとっても「いつかは通ってみたい」特別なルートだったが、あれやこれやの忙しさに紛れ、ずっと叶わないままだった。そんな折、ルート66が1926年に連邦の国道となって100年になるのと合わせ「八神純子とアメリカを探す旅、という番組を作らないか?」との話が、北海道のチョコ菓子メーカー・ロイズから舞い込んできた。「いつか必ず」と思いながら未だ実現できていない旅を逃すわけにはいかない。「Sure!」
ユニークなアーチで旅人を出迎えるのがルート66流。終着点の表示もあるサンタモニカのアーチは、ビーチに作られた桟橋にある。久しぶりにアーチをくぐり、桟橋を歩いていると、シングル「Mr.ブルー〜私の地球〜」のジャケット写真の撮影をここでしたことを思い出した。「なんだ!その頃からの縁だったんだ!」。一人でにやにやしてしまった。
ルート66の旅は、シカゴを出発点とする人が多いが、Californianなので私は西から東へ!そして私のお供はコンバーチブルのフォード・マスタング。用意したスタッフに、かつて私が乗っていた車だと伝えると、「Great!」と言ってKeyをポン!と私に投げた。大きな排気音と馴染みあるボディー。風を感じるには最適だった。
マクドナルド1号店だった場所にあるマクドナルド博物館などで撮影を済ませると、ルートはモハーヴェ砂漠に入っていく。「ガソリンを満タンにして水を積んでいく」という砂漠を通る時の鉄則通り、2ケースの水を積んだ。これからどんな街や人に出会えるのだろう。わくわくする気持ちを抑えられず、車を東へと走らせた。
(やがみ・じゅんこ、歌手、カリフォルニア州ロサンゼルス在住)


