大統領が新措置で対抗
2月20日に米最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を無効とする判断を示し、今月24日の通関から関税の徴収を停止した。最高裁の発表の直後、トランプ大統領が新たな措置として、1974年通商法122条に基づいて全ての輸入に10%の課徴金を課す大統領布告を発表し、122条に基づく課徴金の徴収も米国東部時間2月24日午前0時以降の通関から開始した。トランプ大統領は、税率を15%に引き上げることもSNSで書いているが、公式な発表ではない。
ジェトロニューヨーク事務所調査部が24日まとめた最高裁の判決要旨によると、IEEPAは大統領による関税賦課を認めない。課税する権限は憲法上、議会に付与されている。議会が課税する権限を大統領に委譲する場合、明示的に行っている。IEEPAは輸入を規制するとの文言はあるが、関税を課すことを明記していないため、法的根拠としては認められない。判決では関税還付の方法について触れていない。
日本企業にとっては、すでに支払った関税の払い戻しはあるのかについて関心が高まるところだが、今後、米国国際貿易裁判所によって審議されるとみられているので、関税還付の方法については引き続き不透明だとしている。
トランプ大統領が通商法122条に基づく10%の課徴金賦課の概要は次の通り。
122条は大統領に対し、「大規模かつ深刻な米国の国際収支赤字」といった特定の状況に対処するため、150日を超えない期間、15%以下の関税賦課を認めている。原則として、全ての国からの輸入に10%の課徴金を課す。
これまでの日米合意の、一般関税、相互関税、232条関税(自動車・部品のみ)を合計して原則15%となる関税率も、今後どのような計算になるかは現時点では不明としている。
対象期間は、米国東部時間2月24日午前0時1分〜7月24日午前0時1分までに通関される貨物。
トランプ氏はまた、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物の輸入に対して、関税支払いなどを免除し、簡易的な方法で輸入通関ができるデミニミスルールの適用停止は継続すると発表した。なお、国際郵便ネットワークを通じて輸入される場合は引き続きデミニミスが適用されていたが、今回の大統領令では、国際郵便ネットワークを通じた輸入に対しても、122条に基づく課徴金を課すと定めた。
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