アフリカ料理をモダンに表現

 アフリカ料理はニューヨークで稀な存在だが、2018年8月に開店した「ヘンリー・アット・ライフホテル」が独自のスタイルでその風味を伝え、人気を集めている。
 料理長はアフリカ系アメリカ人のシェフJJことジョセフ・ジョンソン氏。料理界のハーバードと呼ばれる「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)を卒業後、11年に2か月間ガーナに滞在。「風味を重ねて深く大胆な味を生み出すアフリカ料理に魅了され、自分のDNAの核にあるアフリカの食文化の価値を伝えようと決めました」と意を決した後、ハーレムの人気店「セシル」の料理長を務めて定評を得て、15年には料理界のオスカーと呼ばれるジェームズ・ビアード財団賞の「期待の新星賞」にもノミネートされた実力派だ。
 15品(10〜75ドル)の簡潔なメニューには、アフリカ料理の多彩な要素を伝える各品が並ぶ。一例は「きのこのヤッサ」。レモンとディジョンマスタード風味のセネガルの伝統的な鶏のシチュー「ヤッサ」を、氏はビーガンにも対応可能な品に転換。タイムとにんにくでマリネしたエリンギを鶏に代え、さらに自己流にココナッツ油を加えて煮汁をソース風に煮詰め、食べやすい小皿に仕立てる。
 また「コーラビ」は「アフリカの母」と呼ばれるソースに焦点を当てたサラダ=写真=。アフリカで一般的だがニューヨークで稀なコーラビを生でスライスし、玉ねぎ、人参、トマトなどを炒めトマトペーストとピーナツバターを加えたソース、甘い米国原産コンコルド葡萄と林檎を添え味に広がりを与える。
 新しい旬の店が林立するノマッドにあるライフホテル、その中にある同店には、多彩な人種と年齢層の客が新感覚のアフリカ料理を求めてやって来る。ジョンソン氏は「世界各地に散らばった奴隷が現地で育んだアフリカ料理の豊かさを、これからさらに親しみやすい形で広く伝えていきたい」と話す。(片山晶子/ニューヨーク在住ジャーナリスト)

Henry at Life Hotel
19 W.31st St(bet.Broadway & 5th Ave.)
Tel: 212-615-9910   http://henrynomad.com
軽食:7:00〜15:30   ディナー:17:30〜23:00   (日曜22:00まで)