シェリーめぐみ熱唱

40年ぶりに歌いました

 元歌手で、ニューヨークではジャーナリストとして活動しているシェリーめぐみさんが、17日午後、タイムズスクエアの音楽スタジオのステージに立ち、40年ぶりに歌声を披露した。

 日本人女性たちが大勢詰め掛けるなか、最初に歌ったのはオフコースの「眠れぬ夜」。実は、めぐみさんがバックコーラスをしていた西城秀樹がよく歌っていた曲。そして荒井由美の「ルージュの伝言」と続いた「昭和ポップス」の次は1972年に録音されたチック・コリアのジャズの名盤「リターン・トゥ・フォーエバー」に収録されているフローラ・プリムの「What Game Shall We Play Today」。学生時代に大好きで歌っていた曲を優しいハスキーな声で歌い上げ会場を魅了した。

 友人の宮嶋みぎわさんのピアノ演奏と、当日のスペシャルゲスト、歌手のAKこと柿原朱美さんが作曲して今井美樹が歌った「空に近い週末」をデュエットで聴かせた。この日1時間半のステージで、ビートルズの「レット・イット・ビー」など7曲を歌った。

 司会は学年は違うが高校、早稲田大学と同窓の黒部エリさんが軽妙なトークで会場を盛り上げた。めぐみさんは、学生時代から歌手活動をしていたが、卒業前に歌手から転向してラジオ番組の構成作家としてデビュー、佐野元春、ハイファイセットなど多くのアーティストの番組を手がけた。1991年に来米後は音楽情報を中心にさまざまな情報を日本に伝える仕事に32年間従事し、歌うことは一切なかった。

 コンサート後「封印した過去と現在が繋がっただけでなく、仲良しのお友達が集まって一緒に笑ったり泣いたりしてくれて、私の人生は本当に豊かで幸せなものだと実感できて感謝の気持ちでいっぱい」と話していた。歌手として心の鐘が鳴り響いた夜だった。(三)