「上海ソナタ」を支援

新作ミュージカル公演に向けて準備

CivilizASIAN Foundation
芸術を通してアジアの文化交流

 芸術文化交流を目的設立されたアジア系市民団体、シビリズアジアン・ファンデーション(CivilizASIAN Foundation、エマ・リウ会長)は10日、第二次世界大戦中ナチスの迫害から逃れた2万人のユダヤ人難民を受け入れた中国上海の人々との音楽を通じた交流を描いた新作ミュージカル「上海ソナタ」のお披露目のレセプションをプラザホテル最上階のペントハウスで開催した。同ペントハウスに住むリウ会長の自宅には、作品の脚本家や音楽家、ジャーナリスト、アジア系社会のセレブリティーが集まり、10月からのトライアル公演に向けての旗揚げを祝った。ニューヨークの日系社会からは、弁護士のゲイリー森脇元日系人会会長や大手不動産会社の関係者などが参加した。

ナチスから逃れたユダヤ人音楽家たちと中国で音楽を通じた友情が芽生える

 新作ミュージカル「上海ソナタ」は実話に基づき、避難民の中に200人近くいたとされる音楽家と中国市民との友情と交流を描いた作品。日本の杉原千畝が外交官として渡航ビザを発行した東洋のシンドラーの美談は有名だが、市民交流と友情に光を当てたドラマは、ユダヤ系難民の子孫が多いニューヨークでも話題となりそうだ。

 当日は日本の伝統文化工芸の木彫や鉄瓶など日本の匠の技が映像で紹介された。

 リウ会長は「今日は、大勢の支援者に集まってもらえて大変嬉しい。一人一人の立場は違ってもアートを愛する力でよりよい世界を作っていくことが我々の目的だ」と話した。ゲイリー森脇氏は「アジアの人々がこうして一緒に交流することは大切で、これがニューヨークの活力の原動力だ。日本人・日系人はアメリカ社会の中で他のアジア諸国と比べて顔が見えないと言われるので、もっとビジブル(可視化)していく必要がある」と語った。(三浦)

(写真上)From left, Sean Gao, Fanghua Jiang, Robin Mui, Emma Liu, Willa Ao, Gary Moriwaki, Photo by Ryoichi Miura