ニューヨークで20年間にわたり現代舞踊家として活躍し、NY大学で講師を務めた田中いづみが7月12日東京の練馬文化センターで、自身が主宰する「石川須姝子・田中いづみダンスアカデミー」(東京都練馬区)の第69回発表会を開催した。
同アカデミーは、田中の母で日本の現代舞踊界の巨匠として知られる石川須姝子(すずこ)さんが前身の石川須姝子舞踊研究所を1950年に創立し、今年で75周年を迎えた。発表会の第1、2部では童謡やポップ、ジャズ、コンテンポラリーの音楽に合わせ、主に田中と石川さんが創作、振付した全20作品を講師陣を含め総勢75人が披露した。同アカデミーでは、普段のレッスンではダンスの基礎を教えるが、発表会では年齢や性別、キャリアに関係なく、講師もベテラン生徒も初心者もそれぞれが個性や表現を活かし、堂々と一緒に同じ作品で踊るのが印象的だ。フィナーレは「マンマ・ミーア!」「雨に唄えば」「ウエストサイドストーリー」のブロードウエー・メドレーに合わせて出演者たち皆がレトロな衣装でポップに締めくくった。
第3部は「石川須妹子作品」と題し、一昨年前に97歳で亡くなった石川さんの代表的な3作品の公演のほか、76年以降の公演の映像、亡くなる2か月前に収録したインタビューで故人を懐かしんだ。生前に取材したとき石川さんは若さの秘訣について「踊りに対する情熱が絶えず、常に未知のものに触れたいという好奇心を持っていること」と答え「死ぬまで踊り、舞台に立ち続けたい」と語っていた。
田中は07年に帰国し、同アカデミーの主導の傍ら現代舞踊協会の理事、アーティストとして、全国で講習やラジオ番組の出演などをも通して日本の現代舞踊界の発展に努めている。石川さんが亡くなった現在について田中は「相談する人がいなくなったのは大きいが、踊りについては身体を動かすだけではなく踊る心が大切なこと、という意志は継承していきたい」と話している。
(浜崎都、写真・塚田洋一)

