お持ち帰り劇場配信

 ニューヨーク在住の舞台演出家でプロデューサーの河原その子が芸術監督を務める劇団、クロッシング・ジャマイカ・アベニュー(CJA)は、毎年5月にジャパン・ソサエティーの「こどもの日フェスティバル」で行っていた桃太郎をテーマにした公演がキャンセルになったため、今年は、劇場で会えない代わりに、劇場体験を家に持って帰ってもらおうと、「Theater To Go (お持ち帰り劇場)」の企画を立ち上げた。ジャパンソサエティーのファミリープログラムの賛同も得て、子供の日の5月5日からユーチューブで配信が開始されている。

 この舞台は、もともとインタラクティブ・シアターと銘打ち、毎年、観客席の子供、家族、大人までを一緒に巻き込み、興奮と、熱気と、笑顔の溢れる舞台だ。

 河原は「どこでもやっている舞台公演のビデオストリーミングや、録画を編集したものでは劇場で体感する熱気は伝わらないと感じ、あえて舞台写真のみ使ったスライドショーに仕上げ、俳優のセリフと音楽も、このために新しく作った。今回の動画は2019年ジャパンソサエティーでの上演舞台をもとにしているが、俳優も音楽家も自宅にいるままで制作。内容も、モダンバージョンになり、エンディングも変え、ピース、ハーモニーと、ダイバーシティーの世界を表現した」という。

 配信後、日本在住の子たちも、楽しめ、かつ英語の勉強に役立つとの声を聞き、日英対訳も無料でCJAのウェブサイトでダウンロードできるようになっている。また、桃太郎の歌を、出演者たちが自宅から歌って踊るレッスンビデオも作った。ストーリーテラーに森永明日夏、音楽は田中舘芙未、そのほか出演は徳垣友子、北村武美。


河原その子(写真右)

かわはら・そのこ=NY市公認非営利劇団、クロッシング・ジャマイカ・アベニュー (CJA)芸術監督。NYオフ・オフ及び、オフ・ブロードウェーシーンで活動。NYU、フォーダム大学、ボストン大学の招待/レジデント・アーティスト。ロウワー・マンハッタン・カルチュラルカウンシル(LMCC)の助成金審査員、ワークショップ等の文化交流活動。ドラマリーグ、マブーマインズ、ウイメンズ・プロジェクトはじめ多数団体フェロー/レジデント。NYTW、リンカーンセンター・ディレクターズラボ、日本演出者協会会員。コロンビア大学院舞台演出修士号(MFA)。 


「お持ち帰り劇場 (Theater To Go)」

MOMOTARO:In Searhc of a Hero (15分)

日英対訳無料ダウンロードできるサイト

www.crossingjamaicaavenue.org

「MOMOTARO Dance &Song」( 5 分)

ジャパンソサエティー ファミリープログラム

https://www.japansociety.org/page/programs/family-programs/childrensdayfromhome