味方の陰に敵あり Captain Marvel

 アメコミ「マーベル・コミック」の女性スーパーヒーロー、キャロル・ダンバース(キャプテン・マーベル)を主人公にした実写版。キャプテン・マーベル誕生のプロセス、若き日のS.H.I.E.L.D.元長官ニック・フューリーとの出会い、エイリアン、クリー族とスクラル族との対戦などを描く。
 女性スーパーヒーローと言えばダントツ人気がDCコミックのワンダーウーマン。ガル・ガドット主演で大旋風を巻き起こしたアマゾネスのダイアナだ。DCコミックのライバル、マーベル・コミックにはブラックウィドウ、ミスティーク、エレクトラらがすでに実写版で登場しているが単独でワンダーウーマンの向こうを張れるのはやはりキャプテン・マーベルしかいない。
 ダンバースは元々は地球人でアメリカ空軍パイロットだったが任務の途中に事故に遭いエイリアン、クリー人のDNAと融合。その結果、飛行能力を含むあらゆる超人的な特殊能力を持つようになる。いわばスーパーマンの女性版で怖いものなしの最強女戦士。
 そのヒーローに扮するのは「ルーム」(2015年)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン。過去の作品からのイメージからは大きくかけ離れた役柄だが9か月間に渡る肉体トレーニングを経て見事にスーパーヒーローになり切っている。
 本作ではまだS.H.I.E.L.D.の一捜査官だったフューリー(トレードマークのアイパッチなし)を演じるサミュエル・ジャクソン)がなんとデジタル修正で20年以上も前のルックスに変身。ジュード・ロウ、アネット・ベニング、ジャイモン・フンスーらが共演。監督は「ハーフネルソン」(06年)のアンナ・ボーデンとライアン・フレック。
設定は1995年。クリー人の対テロ特殊部隊スターフォースに属するキャプテン・マーベルはスクラル族司令官に撃墜され地球上に落下、それを機に6年間にわたり失われていた過去の記憶を徐々に取り戻していく。
 当然のことながら4月に公開される「アベンジャーズ:エンドゲーム」でキャップテン・マーベルが新たに参戦するため、その前に本作で単独デビューという流れだが豪快なアクションシーン満載、笑いもたっぷりな娯楽作品に仕上がった。2時間8分。PG-13。(明)

■上映館■
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.