生き生きEATS(イーツ)
元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (70)
日本のインスタントラーメンは、単に「手軽で安い食品」というだけではない。麺やスープの品質を追求し、ラーメン店の味に近づけようと進化してきた歴史がある。今回は、その流れを代表する三つのブランド、明星食品の「中華三昧」、日清食品の「ラ王」、そして米国でも販売されている東洋水産の「マルちゃんGOLD」を実際に調理し、味と麺を食べ比べてみる。
本来ならベストセラーのサンヨー食品サッポロ一番もといいたいところだが、今回は「ラーメン店顔負けの本格派」という括りなので、3品の登場に限定。全て日系食料品、スーパーで購入可能。


【3品の歴史】
1981年発売の「中華三昧」は、広東、北京、四川をテーマに「本格中華の拉麺」を目指し、当時としては画期的な高級志向の商品だった。発売後は生産が追いつかないほどの人気となり、即席麺市場に「高級麺ブーム」を巻き起こしたという。
続いて1992年に登場したのが「ラ王」。生タイプ麺を採用し、独自の製麺技術によって、なめらかさとコシ、粘りを追求した。発売当初から爆発的な人気を集め、その後はノンフライ麺へ進化。現在も「生麺のような食感」をブランドの大きな特徴としている。
一方、マルちゃんGOLDは、米国で展開されるプレミアムブランド。エアドライ技術による独特の麺の食感と、濃厚なスープを特徴とし、「レストラン品質」を掲げている。
では、約40年にわたる「本格派インスタントラーメン」の進化を、実際に食べ比べるとどう感じるのか。今回は、麺の食感、スープの味、香り、そして「また食べたい」と思うかという点から、それぞれを試してみたい。


【3品の作り方】
3種類とも、味の違いを公平に比べるため、作り方は同じにした。鍋に約500ミリリットルのお湯を沸かし、沸騰したところへ麺を入れて3〜4分ゆでる。スープの素はあらかじめ丼に入れておき、鍋のお湯を注いで溶かし、ザルで湯切りした麺を入れる。仕上げにネギ、メンマ、焼豚、ナルト、卵、海苔、青梗菜などを好みでトッピングした。


【3品の味比べ】
まず「中華三昧 広東風醤油」。牛と豚の旨味をベースに、XO醤やオイスターソースを加えたスープは、醤油味の中にも複雑なコクがある。麺は透明感があり、密度感の高い「凛麺」。幅広の中太麺で、表面はつるりと滑らか。中心にはしっかりとしたコシがあり、スープとの絡みもよい。全体に上品で、昔ながらの袋麺とは一味違う印象だ。
日清食品「ラ王」は、まず鶏の香りが鼻に抜けるのが印象的。キリッとした醤油の酸味と深みのあるスープに、もちもちとした麺がよく合う。スープは香りが強く、「昔ながらのラーメン店の醤油ラーメン」を思わせる味わい。一方、麺には独特の香りがあり、ここは好みが分かれるかもしれない。
そして「マルちゃんGOLD」。生麺に近い食感を目指した麺と、自家製だしによる深みのあるスープが特徴だ。麺とスープのバランスがよく、濃いめの醤油味ながら飽きにくい。インスタントラーメンでありながら、どこか専門店を思わせる満足感があり、3品の中でも「プレミアム感」を意識した商品と言えそうだ。
3品とも方向性が異なり、同じ醤油ラーメンでも、麺とスープの組み合わせによって印象が大きく変わる。実際に同じ条件で食べ比べてみると、その違いがよりはっきり感じられる。3品の中では、あなたはどれを一番高く評価しますか? 味が際立つご飯も一緒のラーメンライスでぜひどうぞ! (写真・三浦良一)

