沖縄和牛 マンハッタンで試食会

「霜降りは濃く、後味は軽く」

 沖縄県「高付加価値・グローバル展開加速化事業」の一環で、沖縄の優れた県産品を世界へ発 信する「OKINAWA ACROSS THE WORLD 2026」沖縄県産和牛試食会が7月17日にマンハッタ ンの焼肉専門店「TORAJI NYC AN」で開かれた。

(写真上)左から知花さん、池田さん、シェフのラミレスさん、井上さん

 主催は沖縄県。事業統括プロデューサーのTHE CROSS・井上翔輝氏と、事業推進責任者の沖縄JTB・池田善宣氏が事業全体の企画・運営を担い、沖縄米国ビジネス促進協会の知花真斗会長も来場してイベントを支援した。

 今回提供された石垣牛は、沖縄県石垣島の温暖な気候と豊かな自然の中で育てられた希少な黒毛和牛。最高等級のA5に格付けされ、脂肪交雑を示すBMS11 を記録した。個体識別番号や枝肉格付証明書も提示され、生産地や品種、格付けまで確認できる高いトレーサビリティーも紹 介された。

石垣牛(最高等級A5)

 肉にはきめ細かな霜降りが入り、焼くと脂がゆっくりと溶け出す。口に含むと柔らかな肉質と上品な甘みが広がる一方、脂の後味は軽く、赤身本来のうま味もしっかりと感じられた。会場では沖縄の工芸や自然を表現した器も使用され、食材だけでなく、島の文化や生産背景も一体として伝えた。

 参加者からは「これほど霜降りが豊かなのに脂がくどくなく食べやすい」「部位ごとに香りや甘 み、柔らかさが異なり、料理の幅が広がる」との声が聞かれた。米国市場では味だけでなく、 生産背景やトレーサビリティーも重視されるため、沖縄和牛の強みが評価されそうだ。

 井上氏は「沖縄和牛を単なる高級食材ではなく、沖縄の自然や文化、サステナビリティーを体現するアイランドブランドとして世界へ届けたい」と強調。知花会長も、今回の試食会を契機に高級飲食店などへの販路拡大につなげたいとの期待感を示した。沖縄和牛はニューヨーク市場 で新たな存在感を示し始めている。 

■古市裕子

サステナビリティ・ジャーナリスト。国連サステナビリティ (ABD: Ph.D.) 。著書・新潮社『欧米企業に学 ぶ・SDGs 転換戦略:サステナブル×これからの企業価値』。『パーパス: 何の ために存在しどんな価値を提供するのか』