老後は帰国して日本で暮らす

好きなことを通して楽しく過ごす
通所介護事業所を紹介

 自分が好きなことを楽しみながら介護を受けることで、利用者の心が癒され機能回復に役立つことも多い。利用者の「好き」を生かしたユニークな方法でサービスを提供する兵庫県のデイケアセンター2社を、本紙「日本の介護事情」コラムの連載でお馴染みの介護事業のプロ、西村栄一さんから推薦してもらった。

愛犬家にお勧め、ドッグセラピーが受けられる

  兵庫県伊丹市にある「アイリーデイサービス」では、 中部盲導犬協会からキャリアチェンジしてきた施設の人気者、ラブラドールレトリバーの「ハートくん」がセラピードッグとして活躍。セラピードッグとの触れ合いや運動を通じて、利用者に心の安定をもたらし、物事への意欲向上や運動量の増加が期待できる。動物好きの利用者には最高の環境で、普段なかなか笑ってくれない利用者もハートくんと触れ合ったあとは満面の笑みになるという。また、同所では、認知症予防と改善に長年取り組む石黒伸医師をアドバイザーとして迎え、一人一人に合う食事の指導をしている。それに加えて、腸内フローラが脳の健康を左右するという観点から、同所では定期的に有機野菜を使用したサラダバーを開催。利用者の腸内環境を元気にするサポートをしている。

アイリーデイサービス : https://aily.life

植物を育てて生きがいを見つける
園芸療法が受けられる

 兵庫県尼崎市と伊丹市にある「瓦宮緑ヶ丘ガーデンクラブ」では園芸療法を用いて利用者の心と機能をサポートしている。野菜や花を育てることで生きがいや楽しみを見出し心のやすらぎを得たり、手足の運動や指先のリハビリになって認知症の予防や周辺症状の緩和にも繋げている。介護度の高い利用者のための室内での園芸療法や車いす用の花壇もある。 また同所では機能回復訓練を効果的に実施している。 一連の園芸活動には日々の暮らしに欠かせない様々な生活要素や運動機能が含まれるほか、「嬉しい、きれい、美味しい、良い香り、いい手触り」という五感に訴えるものが多く含まれることも生きる力の回復に役立つという。皆で育てた野菜は収穫後、利用者が持ち帰ることも可能なうえ、同所で提供される食事にも使用され、喜びや達成感も生み出している。

瓦宮緑ヶ丘ガーデンクラブ : https://sugihara-spt.com/home