地下鉄突き落とし

NYで暴行事件相次ぐ

 ブルックリンのアトランティックアベニュー・バークレイセンター駅で11月22日、乗客がプラットホームから突き落とされる事件が起きた。事件は午前11時30分ごろ、地下鉄4番線車両内の座席で寝ていた男が突然起き上がり、近くにいたカップルに向けて大声で叫び出した。さらに男は同駅で降車したふたりの後をつけ、カップルの男性をプラットホームから突き落とした。転落した男性は軽傷を負ったが自力でホームに戻ったという。ニューヨーク市警察は監視カメラの映像を公開し、男の情報提供を呼びかけている。

 NYの地下鉄では暴行事件が相次いで起きている。11月17日にはブロードウェーのミュージカル俳優アレックス・ワイズマンさんが、アッパーウエストサイドの103丁目駅構内で男に顔面を殴られた。ワイズマンさんは網膜裂傷と眼窩を2か所骨折する重傷を負ったが、手術を受けて現在は回復に向かっているという。また翌日18日夕方、ブライアントパーク駅でも36歳の郵便局職員が突き落とされて軽傷を負った。さらに19日午前には、14丁目ユニオンスクエア駅で、車両がプラットフォームに滑り込む直前に男が女性を突き飛ばす事件があった。女性は線路と路床の間に落ちたため奇跡的に助かり、軽傷で済んだという。この事件では、その場で拘束されたアディチャ・ヴェムラパティ容疑者(24)が殺人未遂で起訴された。

 相次ぐ地下鉄構内での事件を受け、自警団のガーディアン・エンジェルスは11月22日、駅の見回りを開始すると発表した。創設者のカーティス・スリワ氏は「このような情緒障害人物による問題は見たことがない。彼らに必要なメンタルヘルスケアを提供することができるのかを確認したい」と話している。デブラシオNY市長は会見で、「非常に懸念している。利用者の安全性を高めるために警察官による警備を強化し、メンタルヘルスケアへの取り組みを拡大する」と述べた。