横浜から平和の使者 「対話の大切さ実感」

 横浜市内の児童生徒の国際平和の重要性に対する意識を高め、国際社会で自分たちのできることを実践しようとするグローバル人材を育成することを狙いとして同市が毎年実施する「よこはま子ども国際平和プログラム」で、「よこはま子どもピースメッセンジャー」に選ばれた小中学生合計4人が12日から18日までニューヨークを訪問した。

(写真上)取材後に記念撮影(横浜市米州事務所で)

 一行は、国連本部の国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉氏はじめ、ユニセフ本部、国連日本政府代表部、国連国際学校に表敬・交流を行った。 17日午後マンハッタンの横浜市米州事務所で取材に応じた。 

 来米したのは、今年で開催29回目となる「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」の本選で市長賞に選ばれた4人。このコンテストは「持続可能な開発目標」(SDGs)に関連付けて、子どもたちならではの視点から「国際平和のために、自分ができること」をテーマに語るもので、横浜市内の各小学校・中学校・特別支援学校から約4万人の児童生徒が参加した。リム・ケイクンさん(上飯田中3、スピーチタイトル 「希望の桜 」)は、「ニューヨークは多くの人種、多様性のある国で平和を象徴した街だと思った。平和は戦争がないことだけではなく、お互いが思いやり、理解し合うことから始まることについてNYで学んだ。国連で多くの国の人と出会い、文化や考え方が違っても、平和を願っていることを感じた。小さな思いやりの積み重ねが世界平和に繋がると思う。これからは身近なところから思いやりをして周りの人と平和の輪を広げていきたい」と述べた。

 篠浦智香 さん (田奈中3、同「 最初の一歩」)は、「NYで学んだことは本当に100個くらいあるが、一つは多様性で、街を歩いていても人種だけではなく年齢だけでもなく、ファッションも多様で、それが国連国際学校では、インターンや職員の人たちもカナダ、オーストラリア、中国など様々な人が働いていたこと、もう一つは対話の重要性。いろいろな人の話を今回聞いたがそれぞれの立場で共通していたのが対話の重要性だった」と述べた。

 大丸優衣さん(宮谷小6、同  「平和な世界に向けて」)は、「たくさんの人と会談する機会があったが、学んだことは、自分にできることを考えること、平和とは何かを考えること、そしてその意見を大事にしながら、人の話に耳を傾けることが大事だと思った。NYで学んだことを横浜の人々に伝えるのはもちろん、自分の学校の人たちの話に耳を傾けるなど、小さなことを頑張っていきたい」と話した。

 小林空神さん(本牧南小6、同 「 小さな優しさこそが大きな優しさに」)は、「国連で中満泉さんと会談した時に『対話と平和の重要性はどこにありますか』と聞いたら、『対話がなければ平和も何もない』とおっしゃっていて、『何もない』という言葉が、それがすごく心に残っていて、対話の重要性を知ったその日は、熱意が伝わってきた方だったと思った」と述べ、それぞれ今回の来米体験で得た学びを自分の将来と日本や横浜の未来に繋げる決意を語った。