警官に水かける

市内3か所で相次ぐ
SNS公開ビデオに市長怒り

 ニューヨーク市内で警官に通行人がバケツで水を浴びせているビデオが7月22日、ソーシャルメディアに投稿され物議を醸したが、ニューヨーク市警(NYPD)は28日、ハーレムでの事件で男2人(ともに28)、ブルックリンでの事件で男1人(28)、ブロンクスでの事件で男1人を逮捕、容疑者15人の顔写真を公表した。容疑は治安紊乱(びんらん)行為や嫌がらせ、器物損壊、公務執行妨害など。
 ハーレムでの事件は猛暑だった20日か21日に撮影されたと考えられ、セントニコラス街と115丁目の交差点で発生、2人の警官が男性を車のボンネットにうつぶせにして拘束している最中に背後から男が近づき水を浴びせた。さらに空になったバケツを警官の頭に投げつけている。別の男がこれを見てはしゃいでいる。ブルックリンは場所がはっきりしないが、ずぶ濡れになって歩いている警官2人に男が背後からバケツで水をかけている。
 どの警官も取り乱す様子はなく、ずぶ濡れになっても落ち着いて行動しているが単なる悪ふざけとは思えず、デブラシオ市長は「まったく受け入れられない。こうした侮辱は容認できない」、ジェームス・オニール署長は「このような無礼は許されない」とツイート。警察は3人の写真を公表し指名手配していた。
 トランプ大統領は「私たちはこの偉大な国のすべての警察官を愛している。(事件は)まったくの恥辱だ。私たちの生命を保護し奉仕する人々のためのデブラシオ市長は立ち上がる時だ」とツイート。デブラシオ市長は大統領選の民主党候補に立候補しているが、トランプ氏は直接の批判は避けた。
 一方、元ニューヨーク市長のルビー・ジュリアーニ氏は「(この事件は)民主党、進歩(後退)派、社会主義市長の結果だ。(彼ら)お決まりの警官への不敬によって起きることだ。左翼の愚か者どもが敗北するまでますます悪くなるだけだ」と激しく非難する内容をツイートした。ジュリアーニ氏はトランプ大統領の顧問弁護士を務めている。