「嵯峨・竹林の道」

久保修ワールド 2022 夏

 京都の中で好きな場所の一つとして嵯峨野の竹林の道。

 竹林の小径(ちくりんのこみち)とも呼ばれている。

 野宮神社から天龍寺の北側を通って大河内山荘庭園へ通じる長さ400メートルほどの見事な数万本の竹林の道は、両側に広がっていて奥へ奥へと吸い込まれていくように感じる。

 その感じを表現するのに何度もスケッチに訪れた。

 青々とした竹は空を覆うほど高く、晴れた日は竹林からもれる木漏れ日を浴びて、気持ち良い。

 初夏から真夏でも涼やかで、サラサラと風になびく笹の葉の音を聞きながら清々しく、一面を覆う竹の存在感は圧巻である。(くぼ・しゅう/切り絵画家/東京都在住)