生死感テーマにNYを描く

油彩画家

Kohさん

 日本クラブWEBギャラリーの常設アーティストの一人である日本人女性アーティストのKoh。今年2月、日米の文化交流や日系コミュニティー支援の一環として東京海上アメリカのスポンサーにより、日本クラブが仲介役となって作品がカーネギーホールのギルソン・クライブ代表のオフィスに飾られた。作品は、 2023年3月に死去した世界的な音楽家、坂本龍一氏を描いた油絵だ。

(写真左より)日本クラブ前田正明事務所長、東京海上アメリカ・魚返大輔社長、Kohさん、クライブ代表

 寄贈の経緯は、パンデミック中の2021年に約一年半全ての公演がキャンセルになり収入が無かったメトロポリタンオペラの友人を日系企業の役員に紹介したことがきっかけだった。エンジェル投資家によってパンデミック以来初のハドソンヤードでの対面コンサートが実現した。日本クラブの前田事務局長から音楽家支援以外にもNYで頑張る日本人のほかの芸術家も応援してはという話に発展、今回のカーネギーホールへの寄贈につながった。

 Kohはニューヨークを拠点とする油絵画家で東京都出身。16分の1フランスの血が流れている。ヨーロッパやアメリカで暮らした経験から、文化や性別を超え、一段と多様化する世界観を探求するため2016年にニューヨークに移住した。アートの道に進むことにした理由は東北大震災で死を意識した事が一番の引き金となった。元々絵を描くことが好きで子供の頃は家の壁や家具にまで落書きしていた女の子だった。

 「自分には絵以外で自信を持てる事がなかったのと、自分を信じて世界でどこまでやれるか挑戦したいと思った。コンセプトは矛盾(生と死)、そして人間の複雑な心理状況を油絵を通して表現すること。作品はニューヨーク市の活気に満ちたエネルギーに大きな影響を受けており、矛盾(生と死)を通して、観る人の心に届く作品作りを目指しているという。

 パーソンズ美術大学で成績優等生で美術学士号を取得し、ロンドン芸術大学で交換留学生として美術絵画学士課程(優等)で学んだ。パーソンズ美術大学で学ぶ前はコロンビア大学で学術論文を学んでいる。

 「現代アートは政治色が濃い作品は多々ありますが私は個人単位の感情を色んなアングルから世界中の誰かの魂のスモールピースとして共有出来たら良いと思っています」という。ニューヨークは「私には良くも悪くも唯一無二の街。疲れもしますが飽きることも無いし街も人も変化が絶えないので自分の意思でいつでもリセット出来る場所だと思っています」。

 将来の夢は「古き良き芸術性を残しつつテクノロジーにも上手くリンクして芸術が持つ尊さを伝えていけたら良いなと思っています。個人的には音楽と自分の作品が空間を通して人の魂に響く作品を制作したいです。自分の作品で誰かが一瞬でも癒し、懐かしさ、幸せな気持ちになってくれたら嬉しいですね」。 Koh作品は日本クラブWEBギャラリー( gallery@nipponclub.org )で見ることができる。(三浦良一記者、写真は本人提供)