米国で監督デビューしたブロードウエー女優

作品「SPIRIT BOX」オスカー・ミショー受賞

ルミ・オヤマさん

 ブロードウエー女優、ルミ・オヤマの映画監督デビュー作「SPIRIT BOX」が、昨年7月16日にロサンゼルスで開催されたオスカー・ミショー映画祭で「傑出したドラマデジタルシリーズ」賞を受賞、ブロードウエー女優から映画監督へ見事に転身した彼女にとって勝利の瞬間となった。

  同映画祭は、エンターテインメントとメディアの分野における多様性、ジェンダー平等、アイデンティティの平等を提示し、祝福することに特化した映画祭で毎年夏にロサンゼルスで開催されている。

 オヤマさんは、広島県出身。中央大学法学部を卒業後、リクルートに入社、その後退社して劇団四季に入団、ライオンキングなどに出演した。2007年に来米後、全米の数多くのプロフェッショナルシアターに出演、2015年にブロードウエーミュージカル「アリジャンス」のオリジナルキャストとしてブロードウエーデビューした。振り付け家としては、BroadwayWorld Regional Awards(2018年および2023年)でBest Choreographerにノミネートされる。米国の長編映画、「RUNNING FOR GRACE」ではハリウッド俳優のマット・ディロンの相手役ミス・ハナブサとして出演するなど女優としても活躍が続いている。

 脚本家としては、「ロサンゼルス国際映画上映賞(The Los Angeles International Screenplay Awards)」や「アニメーション映画賞(The ScreenCraft Animation Competition)」などの全米の脚本コンペティションでファイナリストに選ばれてもいる。2021年、映画制作会社「クマ・ダッコ・プロダクション」を設立。

 今回監督デビュー作となった「SPIRIT BOX」は「傑出したSFファンタジー(Outstanding Sci-Fi/Fantasy)」部門と名誉ある「パナビジョン・アワード(Panavision Award)」にも併せてノミネートされた。監督だけでなく脚本も手がけたこの映画は、「Kinky Boots」、「The Prom」、「Allegiance」などのブロードウエーミュージカルのプロデューサーとして活躍するエリオット&キャシー・メイジー(メイジープロダクション)がエグゼクティブプロデューサーを務め、出演者とスタッフは50%以上がBIPOC(黒人、先住民や有色人種)または女性で構成されている。

 作品では、両親の謎の死に苦しむ少年が、日本の霊箱(スピリットボックス)から解放された幽霊たちからニューヨーク市を救う使命を負う中で、自身の家族の最も暗い秘密に立ち向かう姿が描かれている。

 オヤマは、「社会的混乱と孤立感が広がる今の時代の中、人々の絆を築く手助けをすることを目指してこの作品を制作したもので、私たちの作品が評価されたことに心から感謝している。私は元々ミュージカル畑出身なので、正式な映画教育は受けていないため、脚本家兼監督として撮影に挑戦する中で、さまざまな困難があったが、その度に仲間がサポートしてくれた。将来は、テレビシリーズ、長編映画、アニメ、演劇やミュージカルなどさまざまな媒体に挑戦していきたい」という。

(三浦良一記者、写真は本人提供)