メトロポリタン美術館で日本の陶磁器展

1万3000年以上の歴史
約350点の作品を展示

 メトロポリタン美術館は、1万3000年以上にわたる日本の陶芸史における約350点を展示した「日本陶磁器 — 無限の芸術性(The Infinite Artistry of Japanese Ceramics)」 を、同美術館の所蔵品を中心に5回の展示替えを経ながら8月8日まで開催している。

(写真上)5〜6世紀の埴輪(左)とイサム・ノグチの「マスク」(1952年)

 会場に入ってまず目を引くのが15世紀の信楽焼き「大壷」=写真上=。キュレーターのモニカ・ビンチク氏(ダイアン&アーサー・アビー日本工芸担当学芸員)=写真左=は、この「大壷」は中国や韓国の焼き物とは違う、わびさびの美しさを代表した作品だと説明する。その横には5〜6世紀の埴輪と並んだイサム・ノグチが1952年に制作した作品「マスク」が違和感なく並んでいる。珍しいものに、緻密な修復技術がうかがえる信楽焼茶壺がある。17世紀の作品だが壊れたりヒビが入った場所を漆や金銀で丁寧に修復されている。これは練り合わせた信楽の土を焼き上げ、深みのある赤褐色に仕上げる高度な職人技とされる。焼成によって生じた「石割れ」は、滑らかな表面に斑点状に現れ、口部と胴部は金継ぎ技巧で補修され、金色の「風景」を描き出しているとされる。

 「着物型掛け布団(ヨギ) 獅子と牡丹」は17世紀後半の着物の形をした厚手の綿入りの寝具。この掛け布団は、高級な衣に用いられる高価な織物である繻子絹で作られ、高位の武家の女性の嫁入り道具として作られたと考えられている。

 ビンチク氏は「日本のわびさびと民芸との繋がりを並べて展示した」と話す。10のテーマで構成された展示会場は陶磁器を中心に日本の食文化から見られる階級、生活、文化などの歴史をたどっていく。日本の焼き物をさまざまな視点から楽しむことを目的とした展示品の多くは同館の重要収蔵で、50周年を迎えるハリー・G・C・パッカード・コレクションから選ばれたもの。(ワインスタイン今井絹江、写真も)

15世紀の信楽焼き「大壷」