お弁当大作戦

日本の弁当美味い!NYPDの警察官大喜び

NY日本総領事館、NY日本食レストラン協会、NY日系人会

 医療や保安、公共交通など市内の必要不可欠な最前線で働く人々に日本食弁当を届ける「弁当プロジェクト」は3週目に突入。今月18日にはニューヨーク市警(NYPD)24分署で、昼食・夕食合わせて120食が警察官に配られた。

 同プロジェクトは、在ニューヨーク日本国総領事館とニューヨーク日本食レストラン協会、ニューヨーク日系人会(JAA)が連携して進めている。2月3日を皮切りに週1回のペースで展開し、コロナ禍で市民の安全と健康を守るフロントラインワーカーに感謝を伝えると同時に、市内の日本食レストランの支援と日本食の振興・普及を目指している。

 警察での弁当配布は今回が初めてとあって、総領事館から山野内勘二大使自ら分署に足を運び、警察官たちに弁当を手渡した。この日の弁当は「ブルックリン・ボウル・ファクトリー」(ランチ)と「大戸屋」の2社。いずれも多様な人種や文化を考慮し、誰もが美味しく食べられるよう食材や調理法を工夫し、彩りも鮮やかな「純日本的」なスペシャル弁当となった。達者な箸さばきで弁当を頬張る警官たちは、口々に「美味しい」「グレート」を連発した。

 同プロジェクトは3月末まで継続。NY日本食レストラン協会の声がけで参加する日系レストラン・食品小売店は約15店舗にのぼり、今後は警察の他にニューヨーク市都市交通局(MTA)、市消防局(FDNY)、病院などでも配布する。各機関との交渉や車両の手配、配達スケジュールの管理はJAAが担当している。

(写真)弁当を美味しそうに食べる警察官たち。後方は趣旨を説明する山野内大使。撮影・中村英雄

医療従事者に

9.11風の環メモリアル・コンサートが寄付
NY日系ライオンズクラブ届ける


医療従事者に弁当を届けるNY日系ライオンズクラブの皆さん

 NY日系ライオンズクラブ(伊藤りき会長)は2月19日、マンハッタン内のマウントサイナイ・ベスイスラエル病院 (281 1st Ave)、同34丁目診療所 (55 East 34th St)に150食のランチを届けた。

 同クラブは NY日系人会と協力しエッセンシャルワーカー支援活動を継続して行っているが、今回のランチデリバリーは ニューヨークのNPO法人「9・11風の環メモリアル・コンサート」 (白田正樹代表)が昨年11月5日に仙台で開催した 第13回風の環コンサート入場料から「ニューヨークのエッセンシャルワーカー支援へ役立ててほしい」との寄付から実現した。

同NPO法人は米同時多発テロ犠牲者追悼を目的に2008年から毎年開催し、2011年以降は東日本大震災犠牲者も追悼。ニューヨークで 「9・11風の環メモリアル・コンサート」を行ってきたが昨年はコロナ禍でニューヨークでのコンサートが不可能となり、仙台に場所を移して開催した。ニューヨークからソプラノの田村麻子、バリトンの門間信樹、バイオリンの大曲翔らが仙台に集結。ガーシュイン、バーンスタイン、バーバー、ビリージョエルなどのニューヨークに係わるアーティストの名曲を次々と披露した。仙台の合唱団「萩」のメンバーで東北大学男声合唱団OBの有志に加え、ボストンで活動していた仙台出身のジャズ作曲家・ピアニストの秩父英里も特別参加。

 例年風の環コンサートのホストとして参加しているジャパン・コーラル・ハーモニー「とも」 「風の環 少年少女合唱団 」はビデオ出演し、日米離れているが共にコロナに打ち勝とう、頑張ろうと出演者と聴衆がともに心に誓う大きな機会となった。

 19日のニューヨークは前日来から雪が降りしきる中、マウントサイナイ・ベスイスラエル病院へのランチ受け入れをアレンジした炭元看護師( 心臓疾患集中治療室 )が待つ中、ライオンズクラブと合唱団「とも」のメンバーが、日本人が経営するブロンクスのメキシカンレストランVAYAのランチと、支援企画に賛同、協賛した北米伊藤園からのお茶を届けた。医師、看護師らはじめ面々からは雪の中で笑顔がはじけた。炭元看護師からは「この様な心温まる支援は、私達医療従事者にとって何にも変えがたい励みになります。皆様のご厚意を胸に今後も使命感を持って業務に従事していきたい」との感謝レターが贈られた。