三味線奏者の史佳さん死去 カーネギーに2度立つ

 新潟市を拠点に活躍した三味線奏者の「史佳Fumiyoshi(ふみよし)」さんが、病気のため9月26日亡くなった。51歳だった。史佳さんは、9歳から母・高橋竹育(ちくいく)さんから津軽三味線を習い始め2000年からプロとして活動。2019年と2021年の2度にわたりニューヨークのカーネギーホールで公演し、21年には世界的ジャズベーシストのロン・カーターさんと共演を果たしている。

 遺族のSNSによると、2年前、難病の「免疫介在性壊死性ミオパチー」(めんえきかいざいせい・えしせいミオパチー)と診断され、ことし2月に活動休止を発表していた。通夜、葬儀は近親者でいとなまれ、後日お別れの会が開かれる。

 遺族は「ここに生前賜りましたご厚誼とご支援に、心より深く感謝申し上、ますとともに、謹んでご報告申し上げます」と述べ、ファンの皆様へとして「生前、三味線プレイヤー史佳Fumiyoshi は多くの皆様に支えられ、皆様からの温かい応援を大きな励みとして歩んでまいりました。 そのご厚情に深く感謝申し上げます。 突然のご報告となりましたことを心よりお詫び申し上げますとともに、故人が生前にいただきましたご声援に、改めて厚く御礼申し上げます」としている。

 初代高橋竹山流の魂を引き継いだ三味線プレイヤーの史佳は、2019年の初カーネギーでは、世界初演の「タイトロープ」を披露。ピンと張り詰めた三味線系が聴衆の琴線に触れた。また、21年10月の公演では、ジャズベースの神様と言われるロン・カーターが共演した。公演タイトル「ブレークスルー」は、コロナ禍で演奏家としての存続の危機に直面した時に困難を打破する、常識を突き破るという意味でつけたもので、当時「新しい未来を作り出して前に進むためには、ここから再び歩き始めることが必要だった。ニューヨークから音楽でいいニュースを届けたい」という願いを込めた演奏で観客を魅了した。

 史佳のニューヨーク公演をプロデュースした当時のニューヨーク新潟県人会会長の大坪賢次さんは「2年程前、筋肉の難病にかかったと我が家に報告に来た時、私も長い間重症筋無力症に悩まされているが、病気は気持ちの持ち方次第だと元気付けましたが、しかし力尽きた様です。芸術家なら誰でも憧れるニューヨークのカーネギー・ホールで、これまで二回総合プロデューサーとして、史佳君のコンサートを手伝いました。史佳君にはもう一度、カーネギーの舞台に立って欲しかったです。昨年10月開催したニューヨーク新潟県人会創立35周年記念式典では、元気な姿で演奏してくれました」と話す。