騙されるも一興 The Hustle

「レ・ミゼラブル」(2012年)でアカデミー助演女優賞を受賞し、シリアス系からミュージカル、コメディーまでオールジャンルをこなすアン・ハザウエイと「ピッチパーフェクト」シリーズで度肝を抜くパーフォーマンスが人気のオーストラリア出身コメディアン、レベル・ウィルソンがコンビを組む痛快コメディー。
 嘘の話を持ち掛けお金を巻き上げたり、本物の宝石をマジシャンのようにニセモノとすり替えたりするコン・アーティスト、いわば詐欺師、ペテン師。いかに騙して大金をせしめるかが腕の見せどころで、スマートかつ粋に事を運ぶのも器量のうちだ。ハザウエイとウィルソンがその腕を競う爆笑路線。
 スティーブ・マーティン、マイケル・ケイン主演の「Dirty Rotten Scoundrels」(ペテン師と詐欺師/だまされてリビエラ、1988年)のリメイク女性版というところだが、予告編でこれぞというシーンを出しすぎているせいか本編の物足りなさは否めない。監督はウエールズ出身の監督・俳優・作家クリス・アディソン。
 ジョセフィーン(ハザウエイ)は美形、スリム、ゴージャスな女詐欺師。ターゲットは上流階級もしくは成金の富豪。彼女の美貌にふらふらっときたらもう罠にはまったも同然。一方、ペニー(ウィルソン)は顔だけ見るとなかなかの美人だがボディは超プラスサイズで色仕掛けは武器にならない。相手選ばず、カモと見れば手あたり次第だ。稼ぐ額はジョセフィーンの足元にも及ばない。
 この二人が偶然に出会い、レベルアップを目指すペニーがジョセフィーンの特訓を受け、コンビでより大きな仕事をすることに。ジョセフィーンは南フランスの高級リゾート地ボーモン・シュル・メールに邸宅を構え、そこが彼女の砦だ。世が世ならどこぞのプリンセスというふれ込みで億万長者に求婚させ、ミリオン級の婚約指輪をせしめたところで「気のふれた妹ペニー」が登場。仰天したフィアンセが自分から婚約解消を申し出て逃げ出してしまう筋書き。
 しかし常に人を騙していると、自分が騙されるとはつゆほど思わないのが彼女らの弱点。二人がアプローチした若きハイテク億万長者との関係は予想外の方向に進んでいく。1時間33分。PG。(明)

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
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