「世の中は豪華な地獄」

本紙のインタビューに答える原監督(左)と安冨さん

原監督と安冨さんにインタビュー

映画「れいわ一揆」上映
MoMAで北米プレミア

 ドキュメンタリー映画の鬼才、原一男監督の映画「れいわ一揆」が12日、近代美術館(MoMA)で開かれた「ドック・フォーナイト」で北米プレミアとして上映された。映画は昨年の参議院選挙で山本太郎代表率いる「れいわ新撰組」から出馬した「女性装」で注目を浴びた東京大学東洋文化研究所教授・安冨歩さんをはじめとする10人の立候補者の選挙活動を追った作品。上映時間4時間8分。

 原監督がこの映画で一番伝えたかったのは、「立候補者が有権者に向けて発する言葉」だという。しかし、言葉に頼らないドキュメンタリーを撮るというのが監督の信念、そこがジレンマだったと話す。昨年6月にもMoMAで原監督の映画が上演されたが、「まさか、数か月後にMoMAに戻ってくるとは夢にも思わなかった」。また、「ニューヨークで自分の作った映画が上演されることは、もっとがんばろうと闘士が沸く」と話した。また、自身が撮る映画については、「映画は権力者のものではなく人民のもの、私は裕福な家の生まれではないので、私が立つところは底辺の所、そこから世界をみて映画を撮っている」と話した。

 安冨さんは、原監督が撮ってくれるので参議院選挙に出馬することにしたと本音を明かしたが、「私が思っていたのと全く違った映画になった。当初は記録映画になるかと思っていたがエンターテイメント映画になり、すごいなと思った。原監督の力量が出ている」。また、自身が出演した映画がMoMAで上映して、ニューヨーク・タイムズ紙で映画が紹介されて自分の写真が掲載されるなんてことは夢にも思わなかったと話した。また馬で選挙活動を行ったことについて、「みんな政治に興味がないから選挙に行かないのではない、選挙に興味がないから行かないのだ。日本の選挙がつまらなくなってきている。選挙を一つのメディアとして、選挙を変えていかないといけない」と話した。

 この日は原監督と安冨さんも参加して舞台挨拶。上映後には質疑応答の時間も設けられた。観客から「おもしろい映画だ。特に安冨さんが言っていた『この世の中は豪華な地獄』という言葉がとても印象に残った」「4時間を長く感じなかった。特に日本式の障害者とのコミュニケーション方法に感心した」と話した。

 映画は午後6時15分開演で、質疑応答がおわったのが午後11時を過ぎていたが、その後も原監督や安冨さんを囲んで、質問する観客が後を絶たなかった。

  (石黒かおる、写真も)