編集後記 8月21日号

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。新型コロナウイルスの新規感染者の9割以上を占めるデルタ株に続き、新たな変異株「ラムダ株(Lambada Variant)」が米国各地で出現し始めています(本紙今週号1面既報)。ラムダ株は昨年8月にペルーで初めて特定され、チリ、アルゼンチン、エクアドルなど南米を中心に、欧米含めこれまで40カ国以上で確認されています。世界保健機関(WHO)は6月に、「注目すべき変異株(VOI)」に分類。「懸念すべき変異株(VOC)」に分類されている「デルタ株」よりは警戒度は低いですが、感染力やワクチンの効果への影響などが実際どの程度なのか現時点ではよくわかっていないため今後変更の可能性もあります。米国で最初に確認されたのはテキサス州ヒューストンにあるヒューストン・メソジスト病院で7月19日に発表。その後、カリフォルニア、テキサス、ルイジアナ州などで確認されています。日本では8月7日になって、7月20日に羽田空港から入国したペルー帰りの五輪関係者からラムダ株が検出されたと発表され、厚生労働省が機内での濃厚接触者リストを五輪関係各所に連絡していないことが発覚し問題になっています。日本の報道などを見ると日増しに日本の地図が赤と黄色に染まっていき、このままでは地球儀に塗られた日本地図のように日本全土が真っ赤に染まってしまうのではないかと心配でなりません。元に戻して米国バイデン政権は、3回目のワクチン追加接種を奨励する方針を明らかにし、早ければ9月中旬にも開始の見通しです。ニューヨークタイムズ紙を見ると、やはり、米国南部のテキサス、ミズーリ、アーカンソー、フロリダなどワクチン接種が進んでいない州が感染爆発を起こしているようです。ニューヨーク、コネチカット、ニュージャージーは、マップ上ではほぼほぼ白く、かつての深刻な状況からは一歩後退。NY市では店内飲食などの活動が17日からワクチン接種証明書の提示が求められるようになってます。米国の新学期が始まる9月には企業の従業員出社も復活で、再び感染が拡大するのではとの警戒心が高まっています。ワクチンを継続して接種して社会全体が抗体を確保するまではコロナとの戦いは続くのでしょうか。治療の特効薬はないので感染予防の徹底が最大課題であることは日本にいても米国にいても同じです。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)