編集後記
みなさん、こんにちは。 2026年は、米国のベネズエラ大統領拘束電撃作戦で幕を開けました。石油利権を米国管轄下に収め同国の運営にも関与するとの姿勢に世界は国際秩序への危機感を強めています。さらに米国の国家安全保障上「必要」とグリーンランドの割譲にも意欲を見せるトランプ大統領は66の国際機関からも脱退。「私を止めることができるのは私の道徳観だけ」(1月9日付ニューヨークタイムズ紙1面)と他国からの干渉を拒絶するさながら「現代版のモンロー主義」による孤立化への暴走にも見えます。「不測の事態」がいつ起きてもおかしくない米国の置かれている今の現状を本紙ではあえて「不測の時代」と呼びました。
就任前の選挙戦でトランプ大統領が掲げた「アメリカ第一主義」とは、アメリカ国民を再び元気付け、失われた白人労働者階級の復権を下支えするアメリカ国民に向けたメッセージだったはず。今、そのスローガンは、ベネズエラ、キューバ、コロンビア、メキシコ、グリーンランドへの外に向けた「アメリカ帝国主義」に置き換えられてしまってはいないでしょうか。
確かに国際法と名付けられた法律こそありませんが、国際的秩序の枠組みの中で培われたルールはあるはず。かつてジャパン・アズ・ナンバーワンなどと持ち上げられていた日本のバブル助走時代、「ジャパニーズ YES ミーンズ NO」「ジャパニーズ DEEP コンシダレーション(検討します)ミーンズ forget it 」「日本の常識は世界の非常識」とまで揶揄されフルボッコにされた時代がありましたが「大統領令」に署名して何でもかんでも決められる「王様」こそ「はだかの王様」になってはいないか他人ごとながら心配になります。
「私を止められるのは私自身だけ」などと本人に真顔で言われると、今、不法移民に向けられているICEのキバが、民主主義やリベラルな思想への弾圧に姿を変えた独裁政治になっていかないことを願うばかりです。中国や北朝鮮とは違う、自由にものが言えるのがアメリカの素晴らしさなので。アメリカ人の常識と良識と良心をアメリカに住む外国人の一人として信じたい、そんな一縷(いちる)の気持ちだけは持っていたいと思います。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
