バミューダ・ショーツ

イケメン男子服飾Q&A 81
ケン 青木

 早6月になりました。新緑眩しい爽やかな心地よい季節。そして天気の良い週末にウォーターフロントで寛ぐのは心身共にリフレッシュ出来てとてもいいものです。幸いニューヨーク近郊にはそうした場所が、たくさんありますね。紫外線は新型コロナウイルスの不活性化に効果あり、というお話もありますし。

 普段は「ショーツ・短パン」なんてあまり履かない私なんですが、こういう季節にはショーツはやはり軽やかです。そこで見直したいのがバミューダ・ショツ。???という方がおられるやもしれませんね。私の息子たちはブルーデニムで出来た、ゆったりと申しますか、ダブダブのショーツが夏休みの定番でしたが、我々大人の男性(オッサンとは言いません・笑)には、もう少しキチンとクリーンなルックなのがベターかと。

 実は男性用スラックスはメイクの違いで大きく2種類に分かれます。ドレス・メイクとジーン・メイク。ドレス・メイクとはフォーマルやビジネス用スーツ組下トラウザーズ(パンツ)で、ウエスト等サイズの仕立て直しが可能なのですが、その一方ジーン・メイクはジーンズのウエスト部、背中の裏側を御覧ください。ウエストをなんとかバラしサイズを小さく直せても、大きくするための縫代はありませんね。その様な意味でバミューダ・ショーツとはスーツ組下トラウザーズを膝のところでカット・オフした感じの、比較的スリムなシルエット、そしてドレス・メイクなので折り目をキチンとつけてクリーンな印象で履かれるのが良いのです。今回はちょっとカタカナが多いですかね(笑)。

 バミューダ・ショーツの名の由来は、バミューダ島で履かれて人気となり、アメリカ東部のアイビーリーグ・スクールの学生や卒業生たちに広まっていったことから。ご存知の通り、ラガーディア空港から3時間のフライトで到着するバミューダ島は英国自治領、そして一説には英国の陸海軍共、第2次世界大戦時に軍服用生地の不足から、インドやアフリカなど温暖の地においてはショーツを通常勤務時のユニフォームに取り入れていったのだと。実はバミューダ島には英国海軍の軍港があり、現在では空軍の基地もあるのです。

 加えてバミューダ島は隠れた金融センターとしても知られ、ロンドンとニューヨークの中間地点という地の利を生かして重要な金融会議もよく行われている様、美しい島でありながら、島のオリジナルの文化はあまり残っていない様な気がしないでもないのですが、それはそれで仕方のないことなのでしょう。

 以上の様な経緯があります故、「バミューダ・ショーツ」はウイークエンドにポロシャツ、ボタンダウンシャツ等とスニーカーを合わせてのリラックスしたカジュアルウエアとしてばかりではなく、ドレス・メイクの利点を活かし、ハイソックスと合わせて名門ゴルフ場に於いても例外なく正式に認められている夏場のゴルフウエアともなります。さらにはバミューダ島の現地におきましては、濃紺のダブルのブレザーに「バミューダ・ショーツ」に黒や紺のダークカラーのハイソックスと合わせましたら、現地の銀行マンの正式なビジネスウエアともなっているのです。この夏、バミューダ・ショーツを活かした、こざっぱりとした大人のサマーカジュアル・アタイア、如何でしょう?   

 それではまた次回。

 けん・あおき/日系アパレルメーカーの米国代表を経て、トム・ジェームス.カンパニーでカスタムテーラーのかたわら、紳士服に関するコラムを執筆。1959年生まれ。