料理研究家
奈良県を拠点に活動する緒方亜希野さんによる初の英語料理書『Effortless Japanese Cooking』の出版記念イベントが3日午後、マンハッタン・トライベッカ地区にある「KORIN(光琳)」で開催された。KORINは、日本の高級包丁や和食器、調理器具を専門に扱う老舗ショップ。1982年に川野作織氏によって創業され、40年以上にわたりニューヨークや全米のシェフ、料理愛好家たちに愛され続けている。
緒方さんは奈良県生駒市で洋菓子店「酒かすスイーツ専門店たけひめ」を経営していた元パティシエ。現在は焼き菓子やパンのサロンを主宰するほか、日本食のレシピを英語で世界へ発信するYouTubeチャンネル「Kitchen Princess Bamboo」を運営している。家庭料理を通じて、健やかで持続可能な暮らしと、日本の食文化に息づく思いやり、感謝、食材を大切にする心を世界へ届けている。
今月、米国のタトル出版(Tuttle Publishing)から発行された緒方さんの著書『Effortless Japanese Cooking』では、100品以上の日本の家庭料理を失敗なく作れるレシピを、コツやポイントとともに紹介。緒方さんが幼少期を過ごした奄美大島の思い出の味と、現在暮らす古都・奈良で育んできた家庭料理の伝統を礎に、だしや味噌汁の基本から、忙しい日にうれしい時短料理、来客をもてなす華やかな一皿、餅やデザートまで、毎日の暮らしに寄り添う多彩なレシピが収録されている。それぞれの料理にまつわる日本の伝統やエピソードも紹介し、レシピだけではなく、その背景にある日本の食文化まで楽しめる一冊だ。
また、海外でも手に入りやすい材料と道具を厳選しているので、日本の家庭料理を世界中どこにいても再現できる。「最近は、味噌、醤油、みりんはどこのスーパーでも手に入るようになった。この3つがあれば、だいたいの日本の家庭料理がつくれる。だから難しく考えずに気軽に挑戦してほしい」と話した。家で作るメリットについては「外食だと保存料や化学調味料が入ってしまうことが多いため、家で作ることが大切だと思っている。一番最初に挑戦してほしいのは『照り焼き』。日本では照り焼きにニンニクは入れないのが一般的なので、まずは素材を活かした優しい味付けを感じてもらえたらうれしい」。海外に住んだことはないが、YouTubeをやりながら英語を覚えたという緒方さん。今後も「日本に住んで英語で発信する」活動を続けるという。(高田由起子、写真も)

