秋の音に耳をすませて 窮鼠猫を噛む 週刊やさしいにほんご生活

この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

秋の音に耳をすませて

 暑い夏が過ぎ、秋になると、鈴虫やコオロギなどの虫が鳴き始めます。鈴虫は「リーンリーン」、コオロギは「コロコロ」と鳴きます。そんな虫の音を、日本では「虫の声」と呼ぶことがよくあります。昔から「虫聞き」という風習があり、秋の虫の声に耳をすませて楽しんできました。

 風に揺れるすすきや、落ち葉を踏む「カサカサ」という身近な音にも、秋を感じることができます。そして、音を楽しむときは、自分が出す音にも気をつけたいですね。電車やホテルなどでは、話し声やスマートフォンの音を控え、周りの人も気持ちよく過ごせるようにしましょう。(長久保美奈、マナー講師)

わくわくことわざ(25)
文とイラスト 平田恵子

窮鼠猫を噛む


「窮鼠」の「窮」の漢字は、物事の行き詰まりや身動きがとれないこと、「鼠」はねずみの音読み。普段は猫におびえて逃げ回るだけのねずみでも、絶体絶命の立場になると、強い猫に噛みついて反撃するという意味です。転じて、相手が弱者だからと「侮ったり、追い詰めすぎない」という戒めとともに、「追い詰められた自分もまた、判断を誤って暴走する危険がある」という自戒も込められています。対人トラブルがあったとき、自他への言動を判断するときに思い出したい言葉です。

《言葉の意味(ことばのいみ)》

・鈴虫(すずむし):bell cricket

・コオロギ:cricket

・虫の声(むしのこえ):the sounds of insects; insect songs

・風習(ふうしゅう):custom; tradition

・耳をすませる:to listen carefully

・すすき:Japanese pampas grass

・控える(ひかえる):to keep something down; to refrain from

・絶対絶命(ぜったいぜつめい):desperate situation

・侮る(あなどる):despise

・「窮鼠猫を噛む」の直訳英語:A cornered rat will bite a cat.