15日から劇画展示も
2001年9月11日の米同時多発テロから25年を迎える今年、国立9・11記念博物館(National September 11 Memorial & Museum)は、節目の年を記念した特別展示や教育プログラムを年間を通じて開催している。事件を知らない世代にも記憶を継承することを目的に、新たな展示や追悼行事を充実させる。
今年公開された代表的な展示の一つが、2028年2月まで開催される「Our Flag Was Still There(私たちの旗はそこにあった)」。崩壊したサウスタワーの「ラスト・コラム」に掲げられた星条旗や、ウサマ・ビン・ラディン殺害作戦で使用された旗など、9・11に関わる歴史的資料を紹介している。
9月12日からは、事件後に広がったボランティア活動や慈善団体の取り組みを紹介する「In TheirHonor: 25 Years of 9/11-Inspired Service(彼らをたたえて—9・11が生んだ25年の奉仕活動)」が始まる。悲しみを地域社会への支援へと変えた人々の歩みを振り返る内容となっている。
このほか、8月15日開幕の「Responding in Ink」では、漫画やグラフィックノベル(劇画)を通して9・11を描いた作品を展示。8月末まで開催される「The World’s Game: Soccer and 9/11」では、サッカーが復興支援や被災者支援に果たした役割を紹介する。
9月11日の追悼式典では、01年の同時多発テロと1993年世界貿易センタービル爆破事件の犠牲者2983人の名前が読み上げられるほか、今年から9・11関連疾患で亡くなった人々を追悼する「7回目の黙とう」が新たに加えられる。また、毎年恒例の「トリビュート・イン・ライト」に加え、市内各地のビルやランドマークが青色にライトアップされる特別企画も実施される予定で、追悼の光がマンハッタンだけでなくNY市全体へと広がる。博物館では、NY州在住・在勤・在学者を対象とした毎月第1日曜日午後4時から7時までの無料入館を継続するほか、9月11日には学校向けのオンライン学習プログラムも公開する。25年という節目を機に、事件の記憶を次世代へ伝える取り組みが進められている。
(写真上)黒煙を上げる世界貿易センタービル(2001年9月11日、五番街で三浦良一撮影)

