新潟県南魚沼から海外派遣  ワシントンDCとNY


 新潟県南魚沼市の中学生と高校生を合わせた12人がワシントンDCとニューヨークを訪問し、ホームステイなども含め7月28日から8月3日まで来米した。市が主催する「南魚沼市中学生高校生海外派遣事業」の一環で来米したもので今年で4回目。一行には岡村秀康南魚沼市教育長はじめ、市教育委員会職員が同行した。   

 ニューヨークでは、ニューヨーク日本総領事公邸と日本政府国連代表部を表敬訪問した。一行は、7月31日午前11時にニューヨーク総領事の片平聡大使公邸を訪問した。片平大使は歓迎の挨拶の中で、現在の公邸が2年間の改修工事の移転中の仮公邸であることを紹介した上で、アメリカと新潟との関係について述べた。この中で大使は、ペリー提督が江戸幕府に開国を迫り1858年に日米間で結ばれた日米修好通商条約で、日本は函館、横浜、神戸、長崎、そして日本海側で唯一となる新潟の港を米国の希望で開けたことについて触れた。「アメリカと日本の関係の中で、最初のところから新潟は重要なところだった。みなさんはその歴史を引き継いでいる」と話した。

 続いて、在留邦人が安全に生活できるように当地の日本人を守ること、日本企業のビジネス活動を支援すること、日米関係がさらに進化して良い関係を築けるように草の根レベルの人間関係の構築を大切にしていると述べた。このあと総領事館の職員から在外公館の仕組みや仕事内容について説明を受けた。

  午後に訪問した国連代表部では、山﨑和之国連大使と面会した。山﨑大使は、生徒たちに3つの点について語った。「一つは国連は協力も対立も扱っている場所であり、国と国との関係は人間と人間との関係に似ている、それはすごくもろい関係にある。人と人との関係をどう担保するのかが重要。日本は世界から恵まれたところと見られることが多いが、どうか世界に目を向けてほしい。2番目は、天然資源の限られた日本は世界との結びつきで生存しているということを意識してほしい、3つ目は、現場に行って自分の目で見てその場の状況がどうだったのかを感じてほしい。現場に行って実物を見ることにより、情報を正しくキャッチすることができる、それが成功する秘訣だ」と述べた。

 生徒たちは、NY総領事館公邸、国連代表部訪問という公式行事を終えたあと、NY滞在中は、セントラルパークやNY公立図書館、国連本部、9・11メモリアル博物館を見学したほか、最終日はニューヨーク新潟県人会が迎えるホストファミリー宅に宿泊し、海外で生活する同郷の先輩たち家族とも交流した。

 この海外派遣事業は、大坪賢次ニューヨーク新潟県人会名誉会長が2022年に亡くなった妻の理恵さんの「故郷が発展するには人材の育成が大事。それには進路がまだ決まっていない中学生のうちが良いと思う」との夢を叶えてあげたいと何度も故郷新潟に足を運んで実現に漕ぎ着けたものだ。(三浦)   

南魚沼市の将来担う人材に
南魚沼市長 林 茂男

 今年で4回目となる南魚沼市中学生高校生海外派遣研修事業を無事に実施することができましたことを大変嬉しく思っております。本事業はニューヨーク新潟県人会の大坪賢次名誉会長のご尽力をはじめ、会員の方々の献身的なご協力により実現したものであり、この場をお借りして皆様方に心から感謝を申し上げます。

 在ニューヨーク総領事館公邸や国連本部への訪問、温かく迎えてくださったホストファミリーの皆様との交流など、国際的な価値観や現地の暮らしぶりに触れる極めて貴重な経験を積むことができました。生徒たちは、この経験を糧に、国際感覚を持ち南魚沼市の将来を担う人材に育ってくれるものと心から期待しています。     

世界に挑戦する新たな一歩
南魚沼市教育長 岡村秀康

 派遣生12名は、世界とつながる確かな手応えをニューヨークで感じました。摩天楼が連なる街並み、多様な文化が交差するエネルギー、そして現地で活躍する日本人との出会いによって、新たな視野が広がりました。 

 山﨑和之国連大使、片平聡総領事との面会では、国際社会の最前線で活躍する姿に大きな刺激を受け、さらにホストファミリーとの交流を通して、ニューヨークならではの暮らしや文化、人と人とのつながりの温かさを実感しました。そして、「自分も世界に挑戦したい」という思いを胸に、新たな一歩を踏み出そうとしています。この貴重な研修を支えてくださった大坪賢次様をはじめ、ホストファミリー、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。    

新潟への大きな貢献に

NY新潟県人会名誉会長
大坪賢次

 故郷新潟県南魚沼市が活性化するには、国際的な感覚を持つ人材を育てることが大切だという事から始めたプロジェクトも、今年で4年になります。

 ワシントンDCとニューヨーク市を訪れた今年度の派遣生徒たち12人は市内観光のみならず、山﨑和之国連大使、片平聡ニューヨーク総領事を訪問して、国際社会における日本の活動と立場について講義を受けました。また全員がNY新潟県人会有志のホストファミリー宅に宿泊して、アメリカの家庭生活を体験しました。

 これらの経験が、国際感覚を持つ人間を育て、将来必ずや故郷新潟に大きな貢献をもたらすものと思います。

NY総領事館と国連代表部で山﨑大使と片平総領事から日米関係や勉強の仕方聞く

 新潟県南魚沼市の中学生と高校生を合わせた12人がワシントンDCとニューヨークを訪問し、ホームステイなども含め7月28日から8月3日まで来米した。(2面に関連記事)

 生徒たちは7月31日午前、ニューヨーク総領事の片平聡大使を表敬訪問し、改修工事のため移転中の総領事公邸を訪れた。職員が在外公館についてまず説明した。世界には275か所に在外公館があり、そのうち、大使館は195、総領事館は67、日本政府代表部は13あり、外務省本省に約3000人、海外に3800人の職員がいること、総領事館は、邦人保護、安否確認、政治、経済、広報文化活動の主な4つの仕事をしていると紹介した。

 大使は1858年に日米間で結ばれた日米修好通商条約で、日本は函館、横浜、神戸、長崎、そして日本海側で唯一となる新潟の港を米国の希望で開けたことについて触れ「日米の関係の中で、最初から新潟は重要なところだった。みなさんはその歴史を引き継いでいる」と話した。

 続いて、在留邦人が安全に生活できるように当地の日本人を守ること、日本企業のビジネス活動を支援すること、日米関係がさらに進化して良い関係を築けるように草の根レベルでの人間関係の構築を大切にしていると述べた。生徒たちからは外交官の生活やどのような勉強が必要なのかといった質問が出され、大使が丁寧に答えていた。生徒を代表して阿部蓮希さんがお礼の挨拶をした。

 午後に訪問した国連代表部では、山﨑国連大使が3つのテーマを語り、生徒たちにアドバイスした。一つは、国連に加盟している193か国の中でも、日本と協力し合える国と対立関係にある国があるとした上で「国連は協力も対立も扱っている場所であり、国と国との関係は人間と人間との関係に似ている、それはすごくもろい関係にある。人と人との関係をどう担保するのかが重要。日本の中にいるとあまり感じないが、世界から見ると日本は恵まれているところと見られることが多い。一定水準の教育が国民に浸透し、安全で社会制度が確立している。どうか世界に目を向けてほしい。2番目は、天然資源の限られた日本は世界との結びつきで生存しているということを意識してほしい、3つ目は、現場に行って自分の目で見てその場の状況がどうだったのかを感じてほしい。今回皆さんが米国を訪問されているように現場に行って実物を見ることにより、情報を正しくキャッチできることができる、それが成功する秘訣だ」などと述べた。

 生徒からは世界から見た日本のイメージについて質問が出た。山﨑大使は、「日本は国際法を守る国。長年発展途上国や低所得の世界の開発に、自らの発展の経験をいかし貢献している。今その支援を受けた多く国が国連内での選挙の時に日本に票を入れてくれたり支持してくれている、日本は技術力、文化、文学、和食など世界から文化的にいいイメージを持たれている。ただし、いいことずくめではない。日本はこのところ元気がない、留学生が少ないと思われている。日本人は発想が受け身なところがある。自分は外務省に入った頃、上司から「これどうしましょうかとは言うな」と言われた。妙案でなくとも「自分だったらこうするという提案を持つことが大事だ。自分で考えることで、競争に勝つチャンスが生まれる。能動的に考えてほしい」とアドバイスした。生徒を代表して加藤優学さんがお礼の挨拶をした。