歌って踊れるエンターテイナー raTera (ラテラ)さん

新しいタブでプレビュー

NYで歌手デビューしたダンサー

 ニューヨークの名門ライブハウス「アーリーンズ・グローサリー」で2月12日夜無​​料ライブ公演が開催された。JポップアーティストのKAZUMAが来米したステージで共演したraTera(ラテラ)は竹内まりやのプラスチック・ラブを澄んだ歌声で披露したあと、宿命 、ケセラセラ 、 SUNの4曲30分、その透明感ある歌声としなやかな身体表現の絶妙のバランスで、会場の聴衆を引き込み、詰めかけた大勢のファンを魅了した。

 本名、望月美佐。ニューヨークを拠点に活動を始めたシンガーで、クラシックバレエおよびコンテンポラリーダンサーとして日米の舞台に立ってきたアーティストだ。ラテラは、新たに立ち上げた自身の音楽プロジェクトの名前で芸名だ。

 兵庫県出身。幼少期よりバレエを学び、身体を通して表現を探求してきた。高校時代に8週間ニューヨークのジョフリー・バレエスクールに短期留学、その後、大阪外国語大学外国語学科イタリア語専攻で進学、入学後に合併した大阪大学を卒業したが、一貫して学業とは別にバレエ一筋の青春時代を過ごした。だが、自分の将来を考えたとき、バレエカンパニーで活躍するには、身長制限で合格基準に足りなかったこともあり、地元のバレエスクールで指導者としての道に進むかどうか迷っていた時、「このままいても何も変わらないよ、また、もう一度NYに行ってみたら」とのバレエ仲間の友人に背中を押された。親にも勤務先にも内緒で動画の履歴書をNYに送った。高校時代に過ごしたジョフリー・バレエスクールから合格通知がきて再びNYの地を踏んだ。現在もダンサーとして忙しい毎日だ。4月11日には所属するインターナショナルアメリカンバレエのプリンシパルとしてダンス祭で2曲踊る。そんなダンサーとしての望月が「いろんな道を通ってきて、いろんな仮面をつけて30年以上生きてきて、自分のままで見てもらうのがゴールだと思うようになった」と話す。

  その歩みの中で、「声」というもう一つの表現手段と向き合うようになり、 raTeraという名前が生まれた。現在ファーストシングルが完成して、レコーディングを近日行う予定だ。長い時間をかけてやっと歌詞が完成しても、なかなか話が前に進む作曲家に出会うことが出来なかった。それがライブの翌日に縁に恵まれた。紹介されたその作曲家の青年は、ギターを持っていきなり弾き始め、軽い感じで曲を作り始め、曲作りもスムーズに運んだ。

 「自分の中で、ずっとスタックしていたのに、流れる時はこうやって流れるんだな」と実感した。歌のミューズ(女神)が微笑んだ瞬間に思えた。歌って踊れる日本人のエンターテイナーがまた一人、ニューヨークで生まれた。

 (三浦良一記者、写真も)