アニメNYC大盛況

ファンにサインする漫画家のミサコ・ロックスさん

日本から作家続々

「機動戦士ガンダム」で知られる富野由悠季監督も

原宿ファッションで闊歩

 日本のアニメや漫画、ゲームなどのポップカルチャーの祭典「アニメNYC」が16日から17日までの3日間、マンハッタンにあるジャビッツ・コンベンションセンターで開催され、コスプレした人を含め多くのファンで賑わった。
 日本からは「機動戦士ガンダム」で知られる富野由悠季監督らアニメ制作関係者らが参加し、各パネルにファンが詰めかけた。日本で大ヒットしたアニメ映画「天気の子」の東海岸初上映には長蛇の列ができ、満席で入れない客が続出した。コスプレ大会、アニソンのカラオケ大会、ゲーム対戦コーナーなども人で溢れた。ニューヨーク在住の日本人コミックアーティスト、ミサコ・ロックスさんもアーティスト・アレイにブースを出し、サインや写真撮影に応じていた。
 ニューヨークのアニメコンベンションはニューヨーク・アニメ・フェスティバルが有名だったが2012年にニューヨーク・コミコン(NYCC)に吸収された。2018年と今年、アニメフェスト@NYCCとして開催されたが、思ったような人気が出ていない。アニメNYCは、NYCCの運営会社リードポップ社を退社したピーター・タルタラ氏が設立したレフトフィールド・メディアが日本のアニメと漫画を中心に企画。アニメ配信のクランチロールがメインスポンサーとなって2017年の第1回は2万人を集めた。昨年は4万人集め、ニューヨーク最大のアニメ・コンベンションとなった。今年は約5万人の入場者があったと見られる。
 アニメNYCにはアニメや漫画、ゲームなどに限らず日本のファッションブランドも参加した。原宿に店を構えるACDC RAGはミートアップ(交流会)を開催、ブースも出した。これまでロサンゼルスのアニメ・エキスポとアニメLAには出店したことがあるが東海岸は今回が初めて。日本から来たディレクター/デザイナー/店長の土居麟馬(28)さんは「ニューヨークの反応はとてもよく、インスタグラムでも人気です。特にカラフルなポップなものと黒っぽいパンク、ゴスロリ系が人気ですね」と大きな手応えを感じたようだ。
 ACDC RAGは1980年に麟馬さんの父親の土居俊彦さん(現社長、65)が原宿の竹下通りにオープン、原宿のカワイイ系やパンク・ロリータ系を代表するブランド。原宿に直営店4店を構え、取扱店は日本に約20店舗、海外に約30店舗ある。米国では実店舗としてはロサンゼルスのリトルトーキョーにある「フィクル・ウィッシュ(Fickle Wish」などで取り扱ってる。ニューヨークには取扱店はないが、クレジットカードやペイパルでオンラインで買うことができる。
 麟馬さんは「あくまで原宿ファッションであることにこだわりつつ、もっと世界中の人とつながりを持ちたいと思います。日本の原宿ファッションを、国籍や性別など関係なく広げたい。コンセプトである『ノーボーダー』を実現したいですね」と抱負を語った。(武末幸繁、写真も)