史佳NY公演の成功

新潟県人会の結束が支える

 三味線奏者、小林史佳の10月5日のカーネギー公演は、600席が満席となる盛況だった(本紙10月12日号既報)が、その陰に彼を支えた同郷ニューヨーク新潟県人会の結束があった。同県人会の会長で今回のカーネギー公演エグゼクティブ・プロデューサーを務めた大坪賢次さん(大坪不動産社長)は「これまで過去に何度も同郷の大物歌手や音楽家からカーネギーでやりたいと頼まれたが全部断ってきた。だが史佳さんの熱意には打たれた」と話す。
 大坪さんの元には公演後、ニューヨーク在住各界からの感謝のメッセージが寄せられた。「カーネギーホールで演奏する機会をいただきまして、感謝の言葉もありません。また、大変に盛況な打ち上げに新潟県のパワーを実感」(NY総領事、山野内勘二大使)、「今回のご盛会、大坪社長の熱意と人脈があってのことと、いつもながら敬服」(本田修国際交流基金NY事務所長)、「母・息子(師匠・弟子)の何とも息のあった演奏は圧巻。ファンとして応援したい」(畠山一成ジェトロNY事務所長)、「日本人のパワー、特に新潟県民の皆様の結束力を感じた」(マウントフジオーナー多田貴将さん)など、今回の公演が、新潟日報社を初めとした同郷スポンサーだけではなく、TICグループなど地元ニューヨークの日系財界の応援が強くあったことを伺わせる。公演直前に林茂男南魚沼市長が来米したのも大坪さんが前知事や議員に県の将来を憂い海外で若者の研鑽の機会をとの呼びかけに応えたものだ。NY新潟県人会のダン・リカさんは「市長自ら熱心に国際的な人材育成に取り組まれている自治体が存在することを知り、大変嬉しく思った。自分の子育ての経験から米国大学進学への具体的な準備勉強などのお手伝いができれば」と早速反響があった。