編集後記 9月12日号


  みなさん、こんにちは。クオモ・ニューヨーク州知事が9日午後記者会見し、9月30日からニューヨーク市内のレストランでのインドアで営業を認めました。入店する際に、体温検査、客の1人が連絡先を登録、客席の25%の使用を上限に、席についていない時はマスクを着用。深夜零時を超えての営業は不可。バーサービスはなし。州のガイドラインを守ること。空気の換気をよくすることなどがルールとして盛り込まれました。ニューヨーク市内のレストランにとっては、待ちに待った発表だったかと思います。パンデミック前に繁盛していた店でも、野外営業が認められた後もシャッターを閉じたままの店が結構あります。3月末から店を閉めていたところはもう、かれこれ半年も営業ができなかったということで、復活へのハードルは相当高いと思います。ニューヨークはかなり慎重に経済再開を進めてきました。公立学校も21日から再開の目処がたち、9月末から10月へは、ポストコロナへの橋渡しの時期と言えましょうか。 CDCが先ごろ濃厚接触者でも症状がなければ抗体テストを受ける必要はないとしたことに対して、政治的な判断が影響しているとの批判も出ていますが、死者数、感染者数の推移を見てもコロナは一段階、新たなチャプターに入ってきたとみていいのかもしれません。抗体検査数の分母が増えれば、陽性者の数も増えるのは当然ですが、日本の報道を垣間見るに、抗体検査をしない人はバツ、陽性結果が出たらもっとバツ、という魔女狩りのような感じに様相を呈してきていると言うと言い過ぎでしょうか。企業のリリースなどには「社員全員に定期的に検査を義務付け、陽性者ゼロを目標にしています」みたいな中で、誰がどこで観戦するかもわからないのに陽性になったら後ろ指を指されかねないムードはなんだか怖いです。そっちの方が怖い。ニューヨークはそこらへんは、静かにしていて、プレッシャーは感じません。死と背中合わせの恐怖が日常であったニューヨーカーが少しずつ元の日常を取り戻しつつある秋です。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)