NYで踊り続けた民舞座30周年

日本から助六太鼓や津軽三味線

「踊り手の気持ち一つで大成功」鈴木百さん

裏方に徹して舞台を支えた鈴木百さん(撮影・植山慎太郎)

 日本各地に伝承される踊りを研究し、ニューヨークで日本の伝統的な民族舞踊を紹介する「民舞座-The Japanese Folk Dance Institute of New York」の結成30周年を記念する行事「The Festival of Japan: Drums + Dance」が、17、18日の両日、マンハッタンのロウワーイーストサイドにあるAbrons Arts Center Playhouse Theaterで開催された。

 民舞座は1992年、舞踊家の鈴木百さんによって創立された。山形の花笠音頭をはじめ日本各地にある伝統芸能である「民舞」を米国で広めるため長年さまざまな公演活動を行ってきた。メイシーズの感謝祭パレードやフロリダのディズニーワールド、大リーグのメッツ球場、ブルックリン植物園の桜祭りなど数々のイベントに出演、ABCやNBCのテレビ放送でも踊りを披露した実績もある。

 今回の記念公演では、民舞座のこれまでの集大成として多彩な民族舞踊を披露し、日本から和太鼓集団の「助六太鼓」を招へいして共演した。また、津軽三味線奏者でシンガーソングライターのなつみゆずも特別ゲストとして登場した。第一部では獅子舞や最上川舟唄、津軽じょんがら節、麦や節、津軽三味線、おてもやん、秋田大黒舞、屋台打ち、NY音頭を。第二部では鬼剣舞、鼓動脈、八木節、越中おわら節、敦盛さん、牛深ハイヤ節、月光祭典、津軽あいや節、花笠踊り、お馴染みニューヨーク・ニューヨークで幕を閉じた。

 創設者の鈴木百さんは、「この日のために数多くの練習を重ね、各演目に合わせての衣装を用意したことが一番大変だったが、踊り手全員の気持ちが一つになり大成功でした」と振り返る。また、観客が民舞座の踊りを観て、「このニューヨークでパフォーマンスを通して日本を知っていただくきっかけになってくれることが一番の願い」と話す。今後は、自分が表舞台に立っていくのではなく、息子のケビンさんに任せて自身は後ろからサポートしていく存在として活動したいと笑顔で語った。

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