JAA春のヘルスフェアで藤木さん
「予算、質問をまとめておくことが大切」
ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第17回春のヘルスフェアで、NY日系ライオンズクラブが企画する大人の教養シリーズ第9弾がYouTubeで無料公開されている。講師はファーストブランド(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロの登録メンバーが担当し、今回は、不動産コンサルタントの藤木賀子さんが「米国在住者が日本の家を購入する際の注意点」を解説する。
日本に帰国して不動産を購入する場合、まず最初に困るのが、日本にはパワービルダー、ハウスメーカー、リフォーム会社、設計事務所、工務店、マンションデベロッパーなど、建設会社が多すぎて、何をいくらで建てていいのか分からなくなること。仲介会社は建築のプロではないので構造的なことを質問しても知らないことが多く、どちらかというと売主の味方なので、聞いてもあまり親切には対応してくれないことがある。それは日本とアメリカで大きな違いに起因し、アメリカは売主責任、日本は買主責任であることに理由がある。それなので、日本では短期間に、買主が必要な調査をしなくてはならないので、予め気になる点や修理にかかる予算なども伝えておくことが大切だ。
売買手続きの流れも日米で大きく異なる。物件を探す時にアメリカでは、まず不動産エージェント探しから始まるが、日本は物件探しが先行する。
アメリカは、不動産エージェントに購入希望の物件を依頼、物件探しと内見がある。オファーの提出、不動産とエスクロー契約、インスペクション、所有権の移転・引き渡しになる。
日本は、ヒアリング、物件探しと内見、購入の申し込み(買付)=申し込みから契約まで時間がない。買付の受け付け後に条件の変更ができない。1、2週間以内に重要事項の説明と契約を行う。所有権の移転・決済まで1、2か月。契約から一定の期間までに契約を解除する場合は、支払った手付金の放棄で契約解除は可能。決済間近に契約を解除する場合は、違約金として売買金額の15%から20%を支払うことになるので要注意。
また耐震性も法制度の変更で、震度7に耐えられる耐震等級3以上が求められるが、古い木造住宅などは、その基準を満たしていないこともあるので注意が必要。海外から戻って不動産を決める時は、日本の銀行口座に資金が入っていることが大切。決済時にその場で決済が必要なので、海外からの送金などは事前に行なっておくこと。自分の銀行口座がもし日本国内にない場合は、司法書士の口座に預けて支払うこともできるが、物件価格の3%の手数料がかかる。
▽本講座は無料だが視聴するには登録が必要で、申し込みはEメールで[email protected]まで。申し込み者に視聴URLのアドレスを通知する。問い合わせは電話212・840・6942。
プロフィール=藤木賀子=25歳で建築業界に入り、27歳で宅建士を取得、翌年に2級建築士を取得。アメリカ、カナダで建築を学び、日米との住宅の違いを知る。現在はお客様の住みたい住まいをお客様の代理人となり全面サポートする。