書道ライブで米大陸横断

大学生書道家

光 華さん

 ニューヨークを拠点に活動し、ピンクヘアの書道家として知られる光華は、弱冠22歳。バルーク大学でマーケティングを専攻しながら、書道の練習やイベントでのライブパフォーマンス、ボランティアで子供に書道を教えたりと、書道中心の生活を送っている。
 書道をしている時に達する無の感覚に醍醐味を覚え、小学生の時から趣味で続けてきた書道でプロの道を目指そうと思ったのは、大学留学のためにニューヨークに来てから。世界の最高峰を目指して世界各地から優秀な人たちが集まり、さまざまな分野で切磋琢磨している姿を見たことに大きな刺激を受けたという。
 今年に入り、ブルックリンで日本文化発信を行うJコラボで行った初めての個展をきっかけに、ブルックリンの桜祭りやコロンビア大学が開催した日本のお祭りでのライブパフォーマンスに招聘され、着実に活動の場を広げてきた。そして昨夏、大学生活最後の夏休みの思い出作りにと友人たちとアメリカ横断書道ツアーを企画。ニューヨークを出発し、キャンピングカーで16日間かけてロサンゼルスまでの8000キロを移動しながら、行く先々で毎日ライブパフォーマンスを行った。ホワイトハウスの隣では名前を漢字で書いてもらいたい人たちが集まり、オクラホマでは日米協会のメンバーに温かく迎えられた。このアメリカ横断のきっかけとも言えるほどに訪問を熱望していたグランドキャニオンでもライブパフォーマンスを披露。芸術への造詣が深い街ニューヨークを飛び出して書道を披露したのは初めてのことで、ライブパフォーマンスに誰も興味を示してくれない都市もあるなど、ニューヨーカーと正反対の反応に戸惑うこともあったという。長い歴史の中で育まれてきた日本の「伝統」としての書道と、日本人以外の人から見た「アート」としての書道の魅力を伝えていくことが国際的な書道家を目指す使命と、光華は海外での挑戦を続けている。(須能玲奈、写真も)  
展覧会情報=初個展の舞台となったJコラボ(7丁目300番地)で23日(土)から12月1日(日)まで、アメリカ横断書道ツアーの凱旋展が開催される。光華の旅の軌跡を書道作品や写真と共に振り返る展覧会。レセプションは23日(土)午後4時から6時まで。同日3時から4時は光華による初級者向けの書道の特別ワークショップ(参加無料。事前予約不要)が開催される。同展はJコラボが今年6月に始めた日本のご当地商品や場所、人を紹介する47J+Bの一環として行われ、常設展示と共に光華の作品を楽しめる仕掛けとなっている。23日の4時30分からは、書道に影響を受けた作品も多数発表している米国人アーティスト、リチャード・フォードによるトークショーも予定されている。問い合わせは、jplusbcafe@gmail.comまで。